
いわゆる「ボロ家」と呼ばれるような、見た目が傷んでいて今にも崩れそうな建物は、一般的に売却が難しいと考えられています。所有するボロ家が売れるのか、どのように売ればよいのか悩んでいる人もいることでしょう。この記事では、ボロ家の売却方法や注意点などを解説します。ボロ家の処分を考えている人は、ぜひ参考にしてください。
目次
ボロ家でも売却は可能
そもそもボロ家は売却できるのかどうか、心配な人も多いのではないでしょうか。結論としては、築年数が古く、多少の老朽化が進んでいる「ボロ家」でも売却は可能です。一般的に、建物の資産価値は築30年で0になるといわれています。
ただし、あくまでも法定耐用年数の話で、実際に住めなくなってしまうわけではありません。確かにボロ家は売れにくい傾向にありますが、方法やポイントを押さえれば売れる物件です。ボロ家の資産価値は、立地や接道条件などによって決まります。具体的に価値を知りたい場合は専門家へ相談することも1つの方法です。
ボロ家の売却方法:そのままで売る
ボロ家は、あえて手を加えずにそのまま売ることも可能です。ここでは、ボロ家をそのまま売るメリットとデメリットを解説します。
ボロ家付きで売却するメリット
何も手を加えずにボロ家付きで売却するメリットは、解体費用がかからない点にあります。更地を購入したい人にアピールできない代わりに、ボロ家付きの土地を安く買って、自分の裁量でリフォームしたい層にアピールが可能です。加えて、土地に家が建っていれば固定資産税の軽減措置が適用されます。
ボロ家付きで売却するデメリット
ボロ家付きで売却するデメリットは、更地が欲しい層にはアピールできない点です。土地の購入を検討している層のうち、自分で建物を建てたいと考えている人もいるため、買い手の候補が減るといえます。また、家を解体することを前提に購入を検討する人もいますが、解体費用にかかる分を値引き交渉されやすいのもデメリットの1つです。
ボロ家の売却方法:解体して更地で売る
最初からボロ家を解体して、更地の状態で売りに出す方法もあります。ここでは、更地で売るメリットとデメリットを解説します。
更地で売却するメリット
更地で売却するメリットは、需要が高い点にあります。買い手は解体する手間がなく、購入後はスムーズ建物を建てられるため、建築物がある土地に比べて購入希望者が多いのが実情です。売る側としても、建物の瑕疵を気にせずに手放せるのは大きなメリットといえます。
更地で売却するデメリット
更地で売却するデメリットは、解体費用がかかる点です。解体費用には資材の廃棄費用も含まれており、高額だと感じる人は多いでしょう。
また、解体しても売れない状態が続くと、所有している期間の分だけ固定資産税を負担しなければなりません。しかも、解体が完了すると固定資産税の軽減措置が適用されず、税額が高くなってしまいます。
ボロ家の売却方法:リフォーム後に売る
ボロ家を売却する際は、リフォームをしてから売りに出す方法もあります。ここでは、リフォーム後に売却するメリット、デメリットを解説します。
リフォーム後に売却するメリット
ボロ家をリフォームして売却するメリットは、売却価格を上げやすいことです。また、きれいな家に早く住みたいと考えている買い手にアピールできます。古い状態のままで売るには相場よりも値下げする必要があるものの、リフォームをしておくと見た目の印象がよく、成約率が高まる可能性もあります。
リフォーム後に売却するデメリット
リフォームしてから売却するデメリットは、費用がかかる点です。売却価格にリフォーム費用を上乗せすると、家をできるだけ安く買いたい層からの需要は減少するかもしれません。また、リフォームしても売れ残るリスクがあり、費用を回収できない可能性も考えられます。リフォームの実施前には、売れる見通しも加味して売却完了までの計画を練る必要があります。
ボロ家の売却方法:不動産買取を利用する
ボロ家を売却する際は、不動産買取を利用するのもよいでしょう。不動産買取のメリットとデメリットを解説します。
不動産買取で売却するメリット
不動産買取とは、仲介を利用して家を売るのではなく、不動産会社に直接買い取ってもらう方法です。不動産買取なら、ボロ家でも確実に売却が可能となります。不動産買取では、個人に売却する場合と異なり、契約不適合責任を気にする必要がありません。売却後に瑕疵などが見つかっても売り手は責任を追わず、不動産会社が責任を負うことがほとんどです。
不動産買取で売却するデメリット
建物の状態や立地条件が悪いと買い取りに応じてもらえない可能性があります。ただし、一社に断られても他社に査定を依頼できるので、諦める必要はありません。また、不動産会社は買い取った不動産を改修したうえで再販するため、不動産会社買取は相場よりも割安になる傾向があります。
ボロ家の売却方法:空き家バンクに登録する
ボロ家を売却する方法の1つに、空き家バンクへの登録があります。空き家バンクに登録するメリット・デメリットは以下の通りです。
空き家バンクに登録するメリット
空き家バンクとは、空き家の売主と買主をマッチングさせるサービスのことです。空き家バンクを利用する購入者は、わざわざ空き家を探している層なので、一般的な市場よりもマッチングしやすいでしょう。また、空き家バンクには登録期間に制限がなく、ゆっくりと売却活動できるのもメリットです。
空き家バンクに登録するデメリット
空き家バンクに登録するデメリットは、売却までに時間がかかりやすいことです。空き家バンクに登録した物件は、平行して不動産会社に仲介を頼めない場合が多々あります。つまり、空き家バンクを利用していない買い手には物件をアピールできず、買い手がなかなか見つからない可能性もあるということです。
ボロ家を早めに売却すべき理由
ボロ家を売却するにはさまざまな方法がありますが、どの手段でもボロ家は早めに売却するべきです。それには以下のような理由があります。
維持費用がかかり続ける
ボロ家にかかる維持費用は、固定資産税や管理費用などです。ボロ家を所有している限り、これらの費用はかかり続けます。たとえ誰も住んでいなくても、空き家の所有者は適切な管理の義務を負っているため、メンテナンスを怠ったことによってトラブルが起きると、相手から損害賠償を請求される可能性があります。
特定空き家に指定される恐れがある
特定空き家とは、適切な維持管理がされていないと行政に判断された家のことです。特定空き家に指定されると住宅用地の特例が適用されず、固定資産税の負担が増えてしまいます。また、自治体からの改善命令を放置していると、ボロ家が強制的に解体されるケースがあります。解体費用は所有者に請求されるため、早めの対処が必要です。
ボロ家を高く売却するポイント
ボロ家とはいえ、できるだけ高く売却したいのが本音でしょう。ボロ家を高く売却するには、以下のポイントを抑える必要があります。
複数業者を比較する
ボロ家を高く売却するポイントとして、複数業者を比較検討することが挙げられます。不動産会社によっても得意不得意があるため、売却可能な価格は各社で違います。中古住宅の仲介や買取に強みがあるところを探し、査定を依頼しましょう。このとき、相場観を把握するためにも複数の査定を受けて、それぞれをしっかり比較することが重要です。
物を残さず片付けておく
ボロ家をできるだけ高く売却するには、物や家財を残さないよう片付けることも大切です。物や家財が残っていると、買主から処分費用を値引き交渉される可能性が高まります。また、家に物が残されていると不動産会社が取り扱いを断ったり、解体業者がそのまま解体できなかったりして、売却手続きが滞る点もデメリットです。
ボロ家を売却する際の注意点
ボロ家を売却するためにはいくつか注意しておきたい点があります。ボロ家売却の際の注意点をまとめました。
旧耐震基準に注意する
1981年以前の家は、旧耐震基準で建てられています。旧耐震基準は、現行の新耐震基準よりも耐震性で劣るため、売却しにくい要因となるのが難点です。そこで、ボロ家を売却しやすくする方法の1つとして、耐震補強工事の実施が考えられます。内外装のリフォームとまでいかなくとも、耐震補強工事の実施は検討してみるとよいでしょう。
自己判断で解体しない
ボロ家を自己判断で取り壊す前に、不動産会社への相談がおすすめです。家の状態によっては、解体せずに売れると判断される場合があります。解体に多くの費用がかかるため、むやみな解体はおすすめできません。近年は中古住宅の需要が増加傾向であり、また不動産会社によっては中古住宅の売却を得意としているところもあるため、まずは相談してみましょう。
ボロ家売却で発生する税金
ボロ家売却で発生する主な税金は、譲渡所得税、登録免許税、印紙税の3種類です。譲渡所得税は、ボロ家の売却による利益に課せられる税金です。登録免許税は不動産の登記に課税されます。印紙税は不動産売買契約書に課せられる税金です。それぞれ不動産業者など専門家のアドバイスに従い、漏れのないよう準備しましょう。
ボロ家売却で利用できる税制優遇措置
ボロ家売却で得た利益には譲渡所得税がかかりますが、控除額が高額になりやすいメリットがあります。少しでも税負担を減らすためには、税制優遇措置を活用しましょう。ボロ家売却で利用できる主な税制優遇措置には、以下の控除があります。
- 居住用財産の3,000万円特別控除
- 相続した空き家等の3,000万円特別控除
- 低未利用地等売却の100万円特別控除
- 譲渡損失の損益通算と繰越控除
※参考:
No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例|国税庁
No.3226 低未利用土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の特別控除|国税庁
まとめ
利用予定のないボロ家を所有している場合、何もしなくても維持費がかかってしまうことから、早期の売却が理想といえます。ボロ家を売却するにはいくつかの方法があるため、物件の状況に最適な方法を選びましょう。不安がある場合、まずは不動産業者に相談してみるのもおすすめです。
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