
親から相続した実家の管理や固定資産税にお悩みではありませんか。「買取だと安く買い叩かれそう」「何から始めればいいか分からない」といった不安を抱えている方も多いでしょう。
そのお悩みを放置すると、家の価値がさらに下がるかもしれません。しかしご安心ください。重要なポイントを知れば、損なくスムーズに空き家を現金化できます。
この記事では、空き家買取で後悔しないための「3つの秘訣」を軸に、仲介との違い、買取相場、信頼できる業者の選び方まで分かりやすく解説します。あなたの不安を解消し、最適な一歩を踏み出しましょう。
この記事のポイント
- 空き家買取と仲介の違いが分かり、自分に合う方法が見つかります。
- 損をしないために知っておくべき「3つの秘訣」が学べます。
- 信頼できる買取業者の見分け方が分かります。
- 買取の流れや税金の基礎知識もまとめて理解できます。
目次
空き家は「買取」と「仲介」どっちがお得?メリット・デメリットを徹底比較
空き家を売却する際、「買取」と「仲介」のどちらが良いか迷いますよね。
それぞれの仕組みと特徴を知れば、ご自身に最適な方法が明確になります。
- すぐに現金化できる「買取」の仕組みとは
- 高く売れる可能性がある「仲介」の仕組みとは
- 【30秒診断】あなたは買取向き?仲介向き?違いを一覧で比較
まずは基本から見ていきましょう。
すぐに現金化できる「買取」の仕組みとは
「買取」とは、不動産会社に直接あなたの空き家を買い取ってもらう方法です。買主を探す必要がないため、スピーディーな売却が最大の特徴です。
買取のメリットは、現金化までが早いことに加え、広告活動を行わないため近所に知られずに売却しやすい点も挙げられます。
また、売却後に家の欠陥が見つかっても売主が責任を負わない「契約不適合責任免除」の特約が付くことが多く、古い空き家でも安心して手放せます。
一方で、売却価格が「仲介」より安くなる傾向にあるのがデメリットです。不動産会社は買い取った空き家をリフォームして再販売するため、リフォーム費用や利益を差し引いた価格を提示します。
そのため、市場価格の5〜8割程度が一般的です。
高く売れる可能性がある「仲介」の仕組みとは
「仲介」とは、不動産会社に依頼し、あなたの空き家を買ってくれる人(買主)を探してもらう方法です。
不動産会社は売主と買主の間に入り、契約をスムーズにサポートします。
仲介の最大のメリットは、市場価格に近い価格で売れ、買取より高値が期待できる点。
購入希望者へ広く情報を届けるため、高く評価してくれる買主と出会える可能性があります。
しかし、いつ売れるか分からないのがデメリットです。
買主が見つかるまで数ヶ月以上かかることも珍しくなく、その間の管理費や固定資産税は払い続けなければなりません。
さらに、購入希望者が現れれば内覧対応の手間が発生し、売却が決まれば仲介手数料も必要です。
【30秒診断】あなたは買取向き?仲介向き?違いを一覧で比較
「買取」と「仲介」の特徴を、以下の表にまとめました。ご自身の状況に合う方法をチェックしてみましょう。
比較項目 | 買取 | 仲介 |
売却スピード | ◎ 早い(数週間〜1ヶ月程度) | △ 時間がかかる(数ヶ月〜1年以上) |
売却価格 | △ 安い傾向(市場価格の5〜8割) | ◯ 高い傾向(市場価格に近い) |
手間 | ◎ 少ない | △多い(内覧対応など) |
契約不適合責任 | ◯ 免除されることが多い | × 売主が責任を負う |
手数料 | 不要な場合が多い | 仲介手数料が必要 |
「多少安くても、早く・楽に・確実に空き家を手放したい」方には買取が向いています。
一方、「時間はかかっても高く売りたい」方は仲介がおすすめです。
【最短1週間】空き家買取の全手続きを4ステップで分かりやすく解説
買取の流れは複雑で難しそうに感じますよね。
実はたった4つのステップで完結します。一つずつ確認すれば安心です。
- ステップ1:複数の会社へ「無料査定」を依頼する
- ステップ2:訪問査定と買取価格の決定
- ステップ3:条件に納得したら売買契約を結ぶ
- ステップ4:代金を受け取り、物件を引き渡す
早速、具体的な流れを見ていきましょう。
ステップ1:複数の会社へ「無料査定」を依頼する
空き家の買取は、まず不動産会社への査定依頼から始まります。多くの不動産会社が無料査定に対応していますので、気軽に相談してみましょう。
ここで最も重要なのは、必ず複数の会社に査定を依頼すること。
1社だけの査定額では、金額が妥当か判断できません。
複数社から査定結果を取り寄せることで相場観を掴み、安く買い叩かれるリスクを減らせます。
最近は、ネットで物件情報を一度入力するだけで複数社に一括査定を依頼できるサービスもあり、手間をかけずに比較検討でき大変便利です。
ステップ2:訪問査定と買取価格の決定
査定を依頼すると、不動産会社の担当者から連絡があり、日程調整の上で「訪問査定」が行われます。
担当者は建物の状態、日当たり、周辺環境などをプロの目でチェックし、正確な買取価格を算出します。
訪問査定後、正式な買取価格が提示されますが、その際、なぜその査定額になったのか、評価点とマイナス点を具体的に質問することが大切です。
査定の根拠を丁寧に説明してくれる会社は、信頼できるパートナーと言えます。
ステップ3:条件に納得したら売買契約を結ぶ
提示された買取価格や引き渡し日などの条件に納得できたら、不動産会社と「売買契約」を結びます。
この契約は非常に重要ですので、契約書の内容は隅々まで確認し、少しでも疑問があれば必ず質問してください。
契約時には登記済権利証(または登記識別情報)、実印、印鑑証明書、本人確認書類などが必要です。
事前に必要書類を確認し準備しておくと、当日の手続きがスムーズに進みます。契約が完了すると、一般的に手付金として売買価格の一部を受け取ります。
ステップ4:代金を受け取り、物件を引き渡す
契約時に決めた引き渡し日に、最終手続きを行います。買主である不動産会社から、売買価格から手付金を引いた残代金が支払われます(決済)。
通常、代金の受け取りは銀行振込で行われ、着金を確認できたら物件の鍵を不動産会社に渡します。
同時に、司法書士の立ち会いのもと、物件の所有権を不動産会社へ移す登記手続きを行います。
以上で、空き家買取の全手続きは完了です。相談から決済まで早ければ1週間、通常1ヶ月程度で済むことも多く、そのスピーディーさが買取の大きな魅力です。
空き家の買取相場はいくら?安くなる理由と価格が決まる仕組み
ご自身の空き家がいくらで売れるのか、一番気になりますよね。
買取価格が決まる仕組みを知れば、提示された査定額にも納得しやすくなります。
- なぜ買取価格は市場価格より安くなるのか?
- ここを見ている!買取価格に影響する査定ポイント
まずは価格の基本から押さえましょう。
なぜ買取価格は市場価格より安くなるのか?
結論として、空き家買取の価格相場は市場価格の5〜8割程度と言われています。
「思ったより安い」と感じる方もいるかもしれません。
買取価格が市場価格より安くなる理由は、不動産会社のビジネスモデルにあります。
不動産会社は、あなたの空き家を買い取った後、リフォームや解体をして再販売し、その差額で利益を得ています。
つまり、不動産会社が提示する買取価格には、あらかじめ以下の費用や利益が含まれているのです。
- リフォームや解体にかかる費用
- 販売活動にかかる広告費や人件費
- 再販売までの間に発生する税金などの維持費
- 不動産会社の利益
このように、買取は不動産会社が再販売のリスクやコストをすべて負担する仕組みです。
そのため売主は、価格が少し安くなる代わりに「早く」「確実に」「手間なく」売れるメリットを得られます。
ここを見ている!買取価格に影響する査定ポイント
具体的にどのような点が査定価格に影響するのでしょうか。不動産会社は、主に以下のポイントを総合的に評価し、買取価格を決定します。
①建物の状態
最も重要なのが建物の状態です。築年数や雨漏り、シロアリ被害など老朽化の度合いが細かくチェックされます。
状態が良くリフォーム費用が少なくて済む物件ほど、高く評価される傾向にあり、過去の修繕履歴もプラスの材料になります。
②立地条件
不動産の価値は立地に大きく左右されます。「最寄り駅からの距離」や「スーパーや学校、病院といった周辺施設の充実度」は非常に重要なポイントです。
利便性の高いエリアは需要が高く、買取価格も高くなる傾向にあります。
③土地の状況
土地の広さや日当たり、形(整形地か不整形地か)も査定に影響します。
特に、土地が面している道路の幅や種類は重要。法律上の問題で「再建築できない土地」などの場合は活用が難しく、査定額が大きく下がる可能性があります。
これらの要素に加え、周辺エリアの売買事例や不動産市場全体の動向も考慮され、あなたの空き家の買取価格が算出されます。
損をしない!空き家を1円でも高く買い取ってもらう3つの秘訣
どうせ売るなら、少しでも高く売りたいのが本音ですよね。
少しの工夫で査定額が変わることもあります。誰でもできる秘訣をご紹介します。
- 必ず複数社に「相見積もり」を取る
- 家の印象を良くするために掃除・片付けを行う
- 物件の魅力やアピールポイントをまとめておく
ぜひ実践してみてください。
必ず複数社に「相見積もり」を取る
空き家を高く買い取ってもらうために、最も重要かつ効果的なのが「相見積もり」です。相見積もりとは、複数の不動産会社に査定を依頼し、提示された買取価格や条件を比較検討することです。
相見積もりが重要な理由は、主に3つです。
- 適正な相場がわかる
1社だけの査定では、金額が妥当か判断できません。複数社の価格を比べることで、ご自身の空き家のおおよその相場を把握できます。 - 買い叩きを防げる
比較検討していることを不動産会社に伝えるだけで、「この売主はしっかり調べているな」という印象を与え、不当に安い価格を提示されるリスクを減らせます。 - 価格競争が生まれる
不動産会社も他社の存在を意識するため、「他社より良い条件を提示しよう」という競争心理が働き、より高い査定額を引き出せる可能性が高まります。
最低でも3社以上に査定を依頼し、各社の対応や査定額の根拠などをじっくり比較することをおすすめします。
家の印象を良くするために掃除・片付けを行う
訪問査定の際、物件の第一印象は査定額に影響を与えることがあります。
担当者も人間ですので、「きれいに使われている」「大切に管理されてきた」と感じれば、ポジティブな評価に繋がります。
ただし、お金をかけてリフォームやハウスクリーニングをする必要はありません。
買取業者は自社でリフォームすることを前提としているため、費用をかけても査定額に上乗せされるとは限らず、かえって損をすることもあります。
あくまでご自身でできる範囲で、以下を心がけましょう。
- 室内の掃除と整理整頓
- 玄関や水回りなど汚れやすい場所の清掃
- 不要な家財道具(残置物)の処分
- 査定前の十分な換気
これだけでも室内の印象は大きく変わり、査定担当者が物件の状態を正確に把握しやすくなるメリットもあります。
物件の魅力やアピールポイントをまとめておく
査定担当者は、書類やデータでは分からない物件ならではの魅力を知りたがっています。
住んでいたからこそ分かる魅力を伝えることで、査定評価がプラスに働く可能性があります。
例えば、以下のような情報がアピールポイントになります。
- 建物の良い点
- 「〇年前に屋根と外壁の修繕をした」
- 「日当たりが良く、冬でも暖かい」
- 「収納スペースを多く設計した」
- 周辺環境の良い点
- 「近所の公園は桜がとてもきれい」
- 「徒歩5分のスーパーは夜遅くまで営業している」
- 「ご近所付き合いが良好で、治安が良い」
こうした「生きた情報」を事前にメモなどにまとめておき、訪問査定の際に担当者へ伝えることで、物件の価値をより深く理解してもらい、査定額アップに繋げましょう。
【トラブル回避】信頼できる空き家買取業者の見抜き方
大切な資産を任せるなら、信頼できる会社を選びたいですよね。
優良な業者と悪質な業者の特徴を知れば、安心してパートナーを選べます。
- 優良な買取業者に共通する3つの特徴
- こんなセリフは危険信号!注意すべき業者の見抜き方
失敗しないためのポイントを確認しましょう。
優良な買取業者に共通する3つの特徴
良い不動産会社を見極めるには、いくつかのチェックポイントがあります。複数の会社と話す中で、特に以下の3点に注目してみてください。
- 特徴① 査定の根拠が明確で分かりやすい
優良な業者は、査定額と共に「なぜこの価格なのか」という根拠を具体的に説明します。
「この立地はプラス評価ですが、建物のこの部分の修繕に費用がかかるため、その分を差し引いています」というように、プラス面とマイナス面の両方から丁寧に解説してくれる会社は信頼できます。
専門用語を使わず、こちらの質問に誠実に答えてくれるかも大切な判断基準です。 - 特徴② メリットだけでなくデメリットも正直に話す
「すぐに売れます」「手間は一切かかりません」といったメリットばかりを強調する業者には注意が必要です。
誠実な会社であれば、買取のメリットだけでなく、「仲介に比べると価格が安くなる傾向があります」といったデメリットや、売主が知っておくべきリスクについても正直に伝えてくれます。
売主がすべてを納得した上で契約に進むことを重視しているのです。 - 特徴③ 行政処分歴がなく、実績が豊富
会社の信頼性を客観的に確認することも重要です。
国土交通省の「ネガティブ情報等検索システム」を使えば、過去に行政処分を受けた業者か誰でも調べられます。
また、会社のウェブサイトで空き家の買取実績が豊富かも確認しましょう。多くの事例を扱っている会社は、それだけノウハウが蓄積されている証拠と言えます。
こんなセリフは危険信号!注意すべき業者の見抜き方
残念ながら、不誠実な対応をする不動産業者も存在します。トラブルを未然に防ぐため、以下のようなセリフには特に注意してください。
- 「今日決めてくれるなら、特別にこの価格で買い取ります」
契約を過度に急がせるのは典型的な手口です。他社との比較を嫌がり、冷静に考える時間を与えずにその場で判断させようとします。
優良な業者は、売主がじっくり検討する時間を尊重します。 - 他社と比べて不自然に高い査定額を提示する
最初に相場からかけ離れた高額査定で気を引き、後から「詳しく調査したら欠陥が見つかった」などと理由をつけて大幅に価格を下げてくる悪質な手口があります。 - 「このままだと大変なことになりますよ」と不安を過度に煽る
「すぐに売らないと資産価値がゼロになる」「税金がどんどん上がる」などと、売主の不安を必要以上に煽って冷静な判断力を奪い、不利な条件で契約させようとします。
このような言動が見られた場合は、その場での即決は絶対に避け、一度持ち帰って冷静に検討するか、別の会社にも相談しましょう。
買取業者のほかにもある?知っておきたい空き家の売却先
買取業者以外にも、何か方法はないかと気になりますよね。
他の選択肢のメリットと注意点を解説します。
- 選択肢①:自治体の制度は使える?「空き家バンク」の活用法
- 選択肢②:個人に直接売却する「個人間売買」のリスクと注意点
それぞれの特徴を見ていきましょう。
選択肢①:自治体の制度は使える?「空き家バンク」の活用法
「自治体が直接空き家を買い取ってくれれば安心なのに…」と考える方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、残念ながら自治体が個人の資産である空き家を直接買い取るケースは、ごく一部の例外を除いてほとんどありません。
その代わりに、多くの自治体が運営しているのが「空き家バンク」という制度です。
これは、空き家を「売りたい・貸したい人」が情報を登録・公開し、「買いたい・借りたい人」とのマッチングを支援する仕組みです。
自治体が運営しているという安心感があり、地域の活性化に貢献できるというメリットはありますが、注意点もあります。
空き家バンクはあくまで情報を提供する場であり、すぐに買主が見つかる保証はありません。
また、買主が見つかった後の価格交渉や契約手続きは、当事者間で行うか、提携している不動産業者に依頼するのが一般的です。
「買取」のようなスピードや手軽さはありませんが、時間に余裕があり、地域貢献にも関心があるという方は、お住まいの地域の空き家バンクを調べてみるのも一つの手です。
選択肢②:個人に直接売却する「個人間売買」のリスクと注意点
ご近所の方や知人など、不動産会社を介さずに直接買主と交渉して売却することを「個人間売買」と呼びます。
この方法の最大のメリットは、仲介手数料がかからない点です。
しかし、メリット以上に大きなリスクがあるため、専門知識がなければおすすめできません。
- 適正価格の判断が難しい
専門家ではないため、売主・買主双方が納得する適正な価格を設定するのが困難です。
後になって「相場よりずっと安く売ってしまった…」と後悔するケースも少なくありません。 - 契約書の作成が困難
不動産の売買契約書には、法律で定められた項目を正確に記載する必要があります。
不備のある契約書を作成してしまうと、後で「言った・言わない」のトラブルになったり、契約自体が無効になったりする危険性があります。 - 引き渡し後のトラブル
売却後に雨漏りなどの欠陥が見つかった場合、どこまで売主が責任を負うのかが曖昧になり、大きなトラブルに発展しがちです。
親しい間柄であっても、金銭が絡むと関係が悪化してしまうことも考えられます。
これらのリスクを避けるためにも、やはり不動産取引の専門家である不動産会社に間に入ってもらう方が、結果的に安全で確実な売却に繋がります。
空き家買取でかかる税金は?知らないと損する特例・控除も解説
売却後にかかる税金のこと、考えると少し不安になりますね。
基本的な知識と、お得な制度を知っておけば、必要以上に心配ありません。
- 売却時にかかる税金の種類と計算方法
- 【節税に必須】相続した空き家で使える「3,000万円特別控除」とは
お金に関する大切な知識を見ていきましょう。
売却時にかかる税金の種類と計算方法
空き家を買取で売却した際にかかる税金は、主に以下の2種類です。
- ①印紙税
印紙税は、不動産の売買契約書を作成する際に課せられる税金です。契約書に記載された金額に応じて税額が決まり、その金額分の「収入印紙」を契約書に貼り付けて納税します。
買取の場合は、不動産会社が用意してくれることがほとんどです。 - ②譲渡所得税(所得税・住民税)
こちらが最も重要な税金です。譲渡所得税は、空き家を売却して「利益(譲渡所得)」が出た場合にのみ課税されます。
利益が出たかどうかは、以下の簡単な式で計算します。
譲渡所得 = 売却価格 – (取得費 + 譲渡費用)
- 取得費:その空き家を親などが購入・建築した際にかかった費用のこと。
- 譲渡費用:売却のために直接かかった費用のこと(買取の場合はほとんどかかりません)。
例えば、3,000万円で建てた家を1,000万円で売却した場合は利益が出ていないため、譲渡所得税はかかりません。
古い家で取得費が分からない場合は、売却価格の5%を取得費とみなして計算しますが、そのままだと大きな利益が出たことになり、多額の税金がかかってしまうことがあります。
しかし、特に相続した空き家の場合、この税負担を大幅に軽くできる強力な特例があるのです。
【節税に必須】相続した空き家で使える「3,000万円特別控除」とは
もしあなたが売却しようとしている空き家が親などから相続したものであれば、「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例」、通称「空き家の3,000万円特別控除」が使える可能性があります。
これは、条件を満たす相続空き家を売却した際に、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる非常に強力な節税制度です。
つまり、売却による利益が3,000万円以下であれば、この特例を使うことで譲渡所得税が0円になります。
この特例を利用するには、以下のような様々な条件をクリアする必要があります。
- 亡くなった親などが一人で住んでいた家であること
- 昭和56年5月31日以前に建てられた家であること
- 売却代金が1億円以下であること
- 家を耐震リフォームするか、更地にして土地として売却すること
など、細かな要件が定められています。
買取業者の中には、この特例の利用を前提に、建物を解体してから土地として買い取るプランを提案してくれるところもあります。
ご自身の空き家が対象になるか分からない場合は、査定を依頼する際に不動産会社に相談してみましょう。
なお、この特例の利用には、売却翌年の確定申告が必須です。忘れないよう注意しましょう。
空き家の買取でよくある疑問 Q&A
最後に、空き家買取でよくある疑問にQ&A形式でお答えします。
Q. 家財道具やゴミが残っていても大丈夫?
はい、家財道具などが残ったままでも買い取ってくれる業者がほとんどです。
遠方にお住まいの場合や、片付けに時間をかけられない場合、残置物をそのままの状態で引き取ってもらえるのは買取の大きなメリットです。
ただし、注意点もあります。残置物の処分費用は不動産会社が負担することになるため、その費用分が買取価格から差し引かれるのが一般的です。
もし時間に余裕があり、ご自身で処分できるのであれば、事前に片付けておいた方が最終的な手取り額は多くなる可能性があります。
「手間と時間を節約したい」のか、「少しでも手取り額を増やしたい」のか、ご自身の優先順位に合わせて判断しましょう。
Q. 雨漏りやシロアリ被害がある家でも買い取ってもらえますか?
はい、問題なく買い取ってもらえます。
雨漏り、シロアリ被害、壁のひび割れ、設備の故障など、何らかの欠陥や不具合がある状態の空き家でも、買取業者は現状のまま買い取ってくれます。
買取業者は、買い取った後にリフォームやリノベーション、あるいは解体を行うことを前提としています。
そのため、物件の問題点を修繕・解決するための費用をあらかじめ査定額に織り込んだ上で価格を提示してくれます。
個人が買主となる「仲介」では売却が難しいような状態の家でも、スムーズに売却できるのが買取の強みです。売却前にご自身で高額な修繕費用を負担する必要はありませんので、まずは正直に物件の状態を伝えて査定を依頼してみましょう。
Q. 周囲に内緒で売却を進めることは可能ですか?
はい、可能です。周囲に知られずに売却しやすいのが買取の大きなメリットの一つです。
「仲介」で売却する場合、買主を見つけるためにインターネット広告を掲載したり、現地の看板を設置したりするのが一般的です。
また、不特定多数の購入希望者が内覧に訪れるため、どうしてもご近所に売却活動を知られやすくなります。
一方、「買取」の場合は、買主は不動産会社ただ一社です。広告活動は一切行われず、やり取りも売主と不動産会社の間だけで完結します。訪問も査定時の数回のみで済むため、ご近所の目を気にすることなく、静かに売却手続きを進めることができます。
様々な事情で、プライバシーを守りながら空き家を手放したいという方に、買取は最適な方法と言えます。
まとめ:空き家買取は不安を解消する有効な選択肢
今回は、空き家の買取について、仲介との違いから高く売る秘訣、税金まで幅広く解説しました。
空き家の管理は、所有するだけで手間や費用がかかり、精神的な負担も小さくありません。
不動産買取は、そうした悩みや不安をスピーディーかつ確実に解決できる有効な選択肢です。
もちろん、価格面などのデメリットもありますが、それを上回るメリットを感じる方も多いはずです。
もし空き家の処分に悩んでいるなら、まずは第一歩として、複数の買取業者へ無料査定を依頼してみてはいかがでしょうか。
専門家と話をする中で、ご自身にとって最善の道がきっと見えてくるはずです。
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