「北海道に相続した空き家、管理も大変だし、どうやって処分すればいいんだろう…」「古いし荷物も残ってるけど、売れるのかな?」と悩んでいませんか。
そのまま放置すると、税金が跳ね上がったり、近隣トラブルの原因になったりするかもしれません。
実は、そうした北海道の空き家でも「買取」なら、簡単4ステップでスピーディーに現金化できる可能性があります。
この記事では、北海道の空き家買取のメリットや業者選びのコツ、放置リスクを回避して賢く手放す方法を徹底解説します。
この記事のポイント
- 「買取」と「仲介」の違いと、北海道の空き家には買取がおすすめな理由
- 古い・ボロボロ・荷物ありの空き家でも「現状のまま」買い取ってもらえる理由
- 失敗しない北海道の買取業者の選び方(5つの必須チェックポイント)
- 相続登記や税金(3,000万円控除)など、売却前に必須の準備と知識
目次
- 1 北海道の空き家、なぜ「買取」が選ばれる?放置リスクと賢い手放し方
- 2 「買取」と「仲介」どっちが得?北海道の空き家売却におけるメリット・デメリット
- 3 北海道の空き家買取相場はいくら?地域別(札幌・函館・旭川など)の価格目安
- 4 荷物そのまま・ボロボロでもOK?北海道の空き家「現状買取」の真実
- 5 失敗しない!北海道の「空き家買取業者」選び、5つの必須チェックポイント
- 6 【簡単4ステップ】北海道の空き家買取|相談から現金化までの全流れ
- 7 空き家買取(北海道)の「費用・税金」完全ガイド|相続登記と3,000万円控除も解説
- 8 もし北海道で空き家買取を断られたら?「自治体」の活用法など3つの対処法
- 9 まとめ:北海道の空き家は「買取」で賢く手放し、リスクを回避しよう
北海道の空き家、なぜ「買取」が選ばれる?放置リスクと賢い手放し方

北海道の空き家、管理できずお困りではありませんか?
放置した場合のリスクと、「買取」が選ばれる理由を解説します。
- 放置は危険!北海道の空き家が抱える特有のリスク(雪害・税金・放火など)
- 早く・楽に・確実に。「買取」が北海道の空き家所有者に最適な理由
まずは現状のリスクから確認しましょう。
放置は危険!北海道の空き家が抱える特有のリスク(雪害・税金・放火など)
北海道に空き家を所有しているものの、遠方に住んでいるため管理が難しい、という方は少なくありません。しかし、空き家の放置は非常に大きなリスクを伴います。
全国的に空き家は増加傾向にあり(※1)、管理不全な空き家は様々な問題を引き起こします。
特に北海道の場合、冬の積雪によるリスクは深刻です。雪の重みで家屋が倒壊する恐れがあるだけでなく、凍結による水道管の破裂や建物の劣化も、他の地域より早く進む傾向があります。
経済的なリスクも見逃せません。管理されていない空き家は「特定空き家」に指定される可能性があり、その場合、土地にかかる固定資産税の優遇措置が解除され、税額が最大6倍に跳ね上がることがあります。
さらに、景観の悪化や害虫の発生による近隣トラブル、不法投棄や放火といった犯罪に利用されるリスクも高まります。
札幌市でも空き家への放火事件が発生しており、他人事ではありません。これらのリスクを、遠方から管理し続けるのは現実的に困難と言えるでしょう。
(※1) 総務省統計局「住宅・土地統計調査」
早く・楽に・確実に。「買取」が北海道の空き家所有者に最適な理由
上記のような深刻な放置リスクを、まとめて回避できる方法が「買取」です。買取とは、不動産会社に直接空き家を買い取ってもらう方法を指します。
この方法が北海道の空き家所有者(特に遠方在住の方)に最適な理由は、以下の3点に集約されます。
- 早い:買い手(個人)を探す「仲介」と違い、業者が直接買うため、売却までが非常にスピーディーです。最短2週間~1ヶ月程度で現金化できるケースも多く、いつ売れるか分からないというストレスから解放されます。
- 楽に:リフォームや修繕、室内の荷物処分(残置物撤去)が不要な「現状のまま」で買い取ってくれる業者がほとんどです。遠方から何度も北海道に通って片付けをする手間がかかりません。
- 確実に:業者が買主となるため、「買い手が見つからず売れ残る」という心配がありません。価格さえ合意すれば、確実に手放すことができます。
管理の負担や将来のリスクを考えれば、「買取」は北海道の空き家を賢く手放すための最も有効な選択肢の一つです。
「買取」と「仲介」どっちが得?北海道の空き家売却におけるメリット・デメリット

空き家を売るなら「買取」と「仲介」どちらが良いのでしょう?
それぞれのメリット・デメリットを比較し、どちらが得か解説します。
- 【買取】メリット:早い・手間なし・現状のまま売れる
- 【買取】デメリット:仲介より価格が安くなる(相場の6〜8割)
- 【仲介】メリット:高く売れる可能性がある
- 【仲介】デメリット:売れるまで不明・手間がかかる・売却後の責任問題
- 結論:北海道の空き家(古い・遠方)なら「買取」がおすすめ
ご自身の状況と照らし合わせてみてください。
【買取】メリット:早い・手間なし・現状のまま売れる
不動産買取の最大のメリットは、そのスピード感と手間の少なさにあります。
- スピード:前述の通り、不動産会社が直接の買主となるため、売買成立までが非常に迅速です。買い手を探す期間が必要なく、価格交渉がまとまればすぐに契約、決済(現金化)に進めます。
- 手間なし:個人の買い手を探す「仲介」の場合、購入希望者の内覧対応や、売却のためのリフォーム・清掃が必要になることが一般的です。しかし「買取」では、これらが一切不要です。遠方にお住まいの方でも、現地での立ち会いは査定時など最小限で済みます。
- 契約不適合責任の免除:通常、不動産を売却(仲介)した場合、売却後に雨漏りやシロアリなどの欠陥(契約書に記載がないもの)が見つかると、売主が責任を負う「契約不適合責任」(※1)が発生します。しかし、買主がプロの不動産業者である「買取」の場合、この責任が免除される契約(瑕疵担保責任免責)を結ぶのが一般的です。これにより、売却後にトラブルが発生する心配がなく、精神的な負担も大きく軽減されます。
(※1) 法務省「民法(債権関係)改正」
【買取】デメリット:仲介より価格が安くなる(相場の6〜8割)
一方で、買取のデメリットは売却価格が「仲介」に比べて安くなる点です。一般的に、仲介で売れる市場価格の6割〜8割程度が買取価格の目安となります。
これは、買取業者が買い取った空き家を、リフォームやリノベーションを施して再販売(または解体して土地として販売)することを目的としているためです。
業者は、リフォーム費用、再販までにかかる経費(税金など)、そして売れ残るリスクをすべて背負うことになるため、その分の費用や利益を買取価格から差し引く必要があります。
「仲介」よりも価格が安くなるのは、売主が負うべき「手間」「時間」「リスク」を、業者がまとめて引き受けるための「手数料」と考えると分かりやすいでしょう。
【仲介】メリット:高く売れる可能性がある
「仲介」とは、不動産会社に依頼して、あなたの空き家を買ってくれる「個人」の買い手を探してもらう方法です。
最大のメリットは、市場価格(相場)に近い価格で売却できる可能性があることです。
北海道内でも、立地が良く、建物の状態が良好な物件であれば、リフォーム費用などを上乗せする必要がないため、買取よりも高い価格で売れることが期待できます。
時間をかけてでも、少しでも高く売りたいと考える場合には「仲介」が選択肢となります。
【仲介】デメリット:売れるまで不明・手間がかかる・売却後の責任問題
「仲介」は、メリットがある反面、北海道の空き家所有者(特に遠方在住の方)にとっては大きな負担となるデメリットも抱えています。
- 売れるまで不明:買い手が見つかるまで、売却活動を続ける必要があります。平均でも3ヶ月~6ヶ月、長い場合は1年以上売れ残るケースも珍しくありません。その間も管理費や固定資産税は発生し続けます。
- 手間がかかる:購入希望者があらわれるたびに、内覧(家の中を見てもらう)の対応が必要になります。また、売却価格を上げるために、売主の費用負担でリフォームやハウスクリーニング、大量の荷物処分(残置物撤去)を行わなければならない場合も多いです。
- 売却後の責任問題:前述の「契約不適合責任」により、売却して引き渡した後でも、隠れた欠陥の責任を問われるリスクが残ります。
北海道の空き家(古い・遠方)なら「買取」がおすすめ
ここまで比較した通り、「仲介」は高く売れる可能性がありますが、「時間」「手間」「売却後のリスク」を売主が負担する必要があります。
もしあなたの空き家が「築年数が古い」「遠方で管理ができない」「荷物が多く残っている」「とにかく早く手放してスッキリしたい」という状況であれば、価格が多少安くなったとしても、それらの負担をすべてまとめて解消できる「買取」が、最も合理的で賢い選択と言えるでしょう。
北海道の空き家買取相場はいくら?地域別(札幌・函館・旭川など)の価格目安

やはり「いくらで売れるのか」が一番気になりますよね。
北海道の相場目安と、価格が決まる仕組みを解説します。
- 北海道全体の買取相場はあくまで参考値
- 札幌市、函館市、旭川市、釧路市などの買取相場事例
- なぜ買取価格は業者によって違うのか?査定額が決まる仕組み
相場の実態を見ていきましょう。
北海道全体の買取相場はあくまで参考値
北海道の空き家買取相場について、インターネットで検索すると「参考買取相場:1,386万円」や「800万円~1,200万円」といった情報が見つかることがあります。
しかし、これらの数字はあくまで「北海道全域」の平均的な目安に過ぎません。北海道は非常に広大で、札幌市のような大都市の中心部と、郊外のエリアや他の市町村とでは、不動産価格が大きく異なります。(※1)
そのため、「北海道の相場は〇〇万円」という情報を鵜呑みにするのではなく、ご自身の空き家がある「地域」の相場観を掴むことが重要です。
(※1) 国土交通省「不動産価格指数」
札幌市やその他エリア別の買取相場事例
空き家の状態や立地によって価格は千差万別であるため、一概には言えませんが、地域ごとの価格差の参考例を見てみましょう。
(※下記は「仲介」での売却相場の一例です。これらのデータは、国土交通省の不動産情報ライブラリをもとにしており、「買取」の場合は、この価格の6割~8割程度が一つの目安となります。)
| 地域 | 売却価格相場(仲介)の例 | 買取価格の目安(6〜8割) |
| 苫小牧市 | 1,200万円 | 720万円 ~ 960万円 |
| 斜里郡斜里町 | 1,400万円 | 840万円 ~ 1,120万円 |
| 北斗市 | 2,100万円 | 1,260万円 ~ 1,680万円 |
| 札幌市豊平区 | 8,200万円 | 4,920万円 ~ 6,560万円 |
(※参照:北海道の不動産売却ならハウスドゥ|10秒でAI無料査定より抜粋)
このように、札幌市内でも中心部と郊外では価格が大きく異なり、他の都市との間でも差があることが分かります。ご自身の空き家がいくらになるかは、個別に査定を依頼するしかありません。
なぜ買取価格は業者によって違うのか?査定額が決まる仕組み
実際に複数の買取業者に査定を依頼すると、提示される買取価格が業者によって数十万円、時には数百万円も異なることがあります。これはなぜでしょうか。
理由は、業者ごとに「買い取った後の活用方法(出口戦略)」が異なるためです。
- A社(リフォーム再販が得意):安価にリフォームして、きれいな中古住宅として再販売する。→ リフォーム費用を抑えられるため、比較的高値で買い取れる可能性がある。
- B社(土地活用が得意):建物は古いと判断し、解体して更地にし、新しい家を建てて販売する。→ 解体費用がかかるため、その分買取価格は低くなる可能性がある。
- C社(賃貸が得意):最低限の修繕だけ行い、賃貸物件として運用する。
このように、業者の得意分野や販売網によって、空き家から生み出せる利益が変わってくるため、査定額にも差が生まれます。
だからこそ、1社だけで判断せず、複数の業者に査定を依頼(相見積もり)することが非常に重要なのです。
荷物そのまま・ボロボロでもOK?北海道の空き家「現状買取」の真実

「家が古すぎて売れないかも…」と不安に思っていませんか?
荷物が残っていても、ボロボロでも買い取れる理由を解説します。
- 荷物やゴミが残っていても、ボロボロでも買取可能です
- なぜ専門業者は「現状のまま」でも買い取れるのか?
諦める前に、ぜひお読みください。
荷物やゴミが残っていても、ボロボロでも買取可能です
北海道の空き家を相続した方から最も多く寄せられる不安の一つが、「家が古くてボロボロ」「親の荷物が大量に残っていて、ゴミ屋敷のようになっている」というものです。
「こんな状態で売れるわけがない」と諦めてしまう方もいらっしゃいますが、結論から言えば、そのような状態でも買い取ってくれる専門業者は多数存在します。
法律上も、残置物(荷物)がある状態での売買は問題ありません。
「仲介(個人への売却)」では、買い手(個人)がきれいな状態を望むため、売主が事前に清掃や荷物処分を行うのが一般的ですが、「買取(業者)」ではその必要がないのです。
なぜ専門業者は「現状のまま」でも買い取れるのか?
買取業者が、荷物が残っていたり、建物が古かったりしても「現状のまま」で買い取れるのには、明確な理由があります。
それは、業者が自社または提携する専門業者(清掃業者、解体業者、リフォーム業者)と連携し、一般の個人が依頼するよりもはるかに安価なコストで、それらの問題を解決できるからです。
例えば、個人で家一軒分の荷物を処分(残置物撤去)しようとすれば、数十万円から、場合によっては100万円以上の費用がかかることもあります。
しかし買取業者は、買い取った後に自社のネットワークで効率的に処分・リフォーム・解体を行います。
その際にかかる費用をあらかじめ査定額から差し引いて(値引きして)買取価格を提示するため、売主が事前に費用をかけて片付ける必要が一切ありません。
売主にとっては、「片付けの手間と費用」と「売却の手間」を、すべてまとめて業者に引き受けてもらえる(売却代金から相殺してもらえる)ため、金銭的にも時間的にも大きなメリットがあるのです。
失敗しない!北海道の「空き家買取業者」選び、5つの必須チェックポイント

北海道には多くの業者があり、どこに頼めばいいか迷いますよね。
信頼できる買取業者を見極めるための5つのポイントを紹介します。
- 「空き家」の買取実績(特に北海道内)が豊富か
- 自分の空き家の「エリア」が対応範囲か
- 査定額の「根拠」を明確に説明してくれるか
- 必ず「複数社に査定を依頼」する(相見積もり)
- 口コミや担当者の対応(レスポンスの速さなど)
悪質な業者に騙されないためにも、必ず確認しましょう。
「空き家」の買取実績(特に北海道内)が豊富か
まず確認すべきは、その業者が「北海道内で」「空き家の買取実績」が豊富かどうかです。
一般的な不動産仲介(新築やきれいな中古物件)がメインの会社よりも、空き家や訳あり物件の買取を専門または得意としている業者を選びましょう。
公式サイトに「北海道での買取事例」や「買取件数」が具体的に掲載されていれば、信頼できる一つの目安となります。実績が多いほど、古い家や荷物が多い家など、様々なケースに対応してきたノウハウが期待できます。
自分の空き家の「エリア」が対応範囲か
北海道は非常に広大です。「札幌市内限定」「道央エリア中心」など、業者によって対応できるエリアが限られている場合があります。
一方で、「北海道全域対応」を掲げている業者もあります。ご自身の空き家がある市町村が、その業者の買取対象エリアに含まれているかを最初に確認しましょう。
査定額の「根拠」を明確に説明してくれるか
査定を依頼し、買取価格が提示されたら、必ず「なぜその金額になったのか」という根拠を質問してください。
信頼できる業者であれば、「立地は良いが、建物の劣化が進んでいるためリフォーム費用として〇〇万円を差し引いています」「残置物の処分費用として〇〇万円を見ています」といったように、プラス査動の要因とマイナス査定の要因を具体的に説明してくれます。
質問に対して曖昧な回答しかしない業者や、契約をやたらと急がせる業者は注意が必要です。
必ず「複数社に査定を依頼」する(相見積もり)
これは、失敗しないために最も重要なポイントです。
前述の通り、買取価格は業者によって大きく異なります。1社だけの査定額を見ても、それが適正価格なのか、安く買い叩かれていないのかを判断することは不可能です。
必ず最低でも3社程度の業者に査定を依頼し、提示された「査定額」と「対応(ポイント3の根拠の説明など)」を比較検討してください。手間を惜しまず相見積もりを取ることが、結果的に数十万円の損を防ぐことにつながります。
口コミや担当者の対応(レスポンスの速さなど)
特に遠方に住んでいる場合、主なやり取りは電話やメールになります。そのため、担当者の対応品質は非常に重要です。
- 質問に対する返信(レスポンス)が早いか
- 説明が丁寧で分かりやすいか
- こちらの不安に寄り添った対応をしてくれるか
といった点を確認しましょう。また、Googleマップの口コミなどで、実際にその業者を利用した人の「生の声」をチェックするのも有効な判断材料となります。
【簡単4ステップ】北海道の空き家買取|相談から現金化までの全流れ

実際の買取の流れが気になりますよね。
相談から現金化までは、驚くほど簡単です。
- 無料相談・査定依頼(ネットや電話)
- 訪問査定と買取価格の提示
- 売買契約の締結
- 決済(売却代金の受領)と家の引渡し
4つのステップを見ていきましょう。
無料相談・査定依頼(ネットや電話)
まずは、気になる買取業者のホームページや電話から、「北海道〇〇市にある空き家を査定してほしい」と連絡します。この時点では、物件の住所、築年数、大まかな状況(荷物の有無など)を伝えるだけで構いません。
前述の通り、査定額は業者によって異なるため、必ず3社以上の複数の業者に同時に依頼(相見積もり)することが重要です。
訪問査定と買取価格の提示
業者が実際に現地(北海道の空き家)を訪問し、物件の状態(劣化具合、荷物の量など)を調査します。
同時に、法務局の登記情報(※1)や、国土交通省の「不動産情報ライブラリ」(※2)や「全国地価マップ」(※3)などを参照し、土地の状況(境界線、用途地域、ハザード情報など)もプロの目でチェックします。
これらの現地調査と公的データに基づき、近隣の取引事例(REINS Market Information(※4)など)と比較しながら、リフォームや処分にかかる費用を差し引いた「買取価格(査定額)」を算出します。
遠方にお住まいの場合、売主が立ち会う必要がないケースも多いです。数日~1週間程度で、正式な「買取価格(査定額)」が提示されます。
(※1) 法務省「不動産登記」
(※2) 国土交通省「不動産情報ライブラリ」
(※3) 一般財団法人 資産評価システム研究センター「全国地価マップ」
(※4) 指定流通機構 REINS「REINS Market Information」
売買契約の締結
提示された買取価格と条件(契約不適合責任の免除など)に納得ができたら、その業者と売買契約を結びます。
契約書の内容をしっかりと確認し、疑問点があれば必ず質問しましょう。遠方の場合、契約書のやり取りを郵送で行う「持ち回り契約(郵送契約)」に対応してくれる業者も多く、北海道まで出向く必要がない場合もあります。
決済(売却代金の受領)と家の引渡し
契約から一定期間後(双方で取り決めた日)、売買代金の残金が業者から振り込まれます(=決済)。それと同時に、物件の所有権を買取業者に移す手続き(登記移転)を行います。
この決済・引渡しが完了すれば、すべて手続きは終了です。
空き家だった物件は正式に業者のものとなり、売主(あなた)は管理や税金の悩みから一切解放されます。
相談からこのステップ4まで、早い場合は2週間~1ヶ月程度で完了します。
空き家買取(北海道)の「費用・税金」完全ガイド|相続登記と3,000万円控除も解説

売却には税金や費用もかかります。
必須の準備や節税方法を知れば、手元に残る金額が変わります。
- 買取なら「仲介手数料」は不要!かかる費用・かからない費用
- 相続した空き家は「相続登記(名義変更)」が必須
- 売却益が出たらどうなる?「譲渡所得税」の計算方法
- 知らなきゃ損!「相続空き家の3,000万円特別控除」とは?
損をしないためにも確認しましょう。
買取なら「仲介手数料」は不要!かかる費用・かからない費用
空き家売却で最も大きな費用の一つが「仲介手数料」です。
これは「仲介」で売れた場合に、不動産会社に成功報酬として支払う費用(売却価格の3%+6万円+消費税が上限)です。
しかし、「買取」の場合は業者が直接の買主となるため、この仲介手数料が一切かかりません。これは非常に大きなメリットです。
ただし、以下の費用は買取でも必要となります。
- 印紙税:売買契約書に貼る印紙代です。(例:売買価格1,000万円超~5,000万円以下なら1万円 ※軽減税率適用時)(※1)
- 抵当権抹消登記費用:住宅ローンが残っている場合のみ、ローンを完済し抵当権を抹消するために司法書士に支払う費用です。
(※1) 国税庁「印紙税」
リフォーム費用や荷物の処分費用、清掃費用などは、業者が買取価格から差し引いている(=業者が負担している)ため、売主が別途支払う必要はありません。
相続した空き家は「相続登記(名義変更)」が必須
これは空き家を売却する上で最も重要な準備です。
相続した空き家は、亡くなった親(被相続人)の名義のままでは、絶対に売却できません。必ず、売却前に法務局で手続きを行い、相続人(あなた)の名義に変更する**「相続登記」**を完了させる必要があります。
2024年4月から相続登記は義務化されており(※1)、売却する・しないに関わらず必須の手続きとなりました。ご自身で行うことも可能ですが、戸籍謄本の収集などが複雑なため、司法書士に依頼するのが一般的です。
(※1) 法務省「相続登記の申請義務化について」
売却益が出たらどうなる?「譲渡所得税」の計算方法
空き家を売却して「利益(もうけ)」が出た場合、その利益に対して「譲渡所得税(所得税・住民税)」がかかります。
譲渡所得(利益) = 売却金額 - (取得費 + 譲渡費用)
- 取得費:その空き家を親が購入した時の代金や手数料です。不明な場合は、売却金額の5%を「概算取得費」として計算できます。(※1)
- 譲渡費用:売却にかかった費用(印紙税など。仲介手数料は買取ではないので不要)
この計算で利益が出ない場合(マイナスになる場合)、税金はかかりません。古い実家の売却では、取得費不明(売却額の5%)で計算しても利益が出ないケースも多いです。
利益が出た場合の税率は、空き家の所有期間(親が所有していた期間を引き継ぎます)によって異なり、所有期間が5年を超えていれば「長期譲渡所得」として税率が約20%になります。(※2)
(※1) 国税庁 タックスアンサー No.3258「取得費がわからないとき」
(※2) 国税庁 タックスアンサー No.3208「長期譲渡所得の税額の計算」
知らなきゃ損!「相続空き家の3,000万円特別控除」とは?
もし譲渡所得(利益)が出てしまう場合でも、強力な節税対策があります。それが「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例」、通称**「相続空き家の3,000万円控除」**です。
これは、一定の要件を満たす相続した空き家を売却した場合、譲渡所得から最大3,000万円を差し引くことができる(控除できる)制度です。つまり、利益が3,000万円以下であれば、税金がゼロになります。(※1)
非常に強力な特例ですが、以下のような主な適用要件があります。
- 相続によって取得した家であること。
- 昭和56年(1981年)5月31日以前に建てられた家であること。
- 亡くなった親が、亡くなる直前に一人で住んでいたこと。
- 相続開始(親が亡くなった日)から3年後の年末までに売却すること。
- 売却価格が1億円以下であること。
ご自身の空き家がこの条件に当てはまるか、必ず買取業者や税理士に確認しましょう。
(※1) 国税庁 タックスアンサー No.3306「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」
もし北海道で空き家買取を断られたら?「自治体」の活用法など3つの対処法

買取を断られたら、もう打つ手はないのでしょうか?
諦めるのは早いです。まだ3つの対処法が残っています。
- 訳あり物件専門の買取業者に再度相談する
- 家を解体して「更地(土地)」として売る
- 「自治体」の空き家バンク登録や寄付を検討する
最後の手段を確認しましょう。
訳あり物件専門の買取業者に再度相談する
A社に買取を断られたとしても、B社なら買い取ってくれる可能性は残っています。
特に、断られた理由が「建物の状態がひどすぎる」「法律的に再建築ができない土地(再建築不可物件)だった」などの場合は、一般的な買取業者では対応が難しいです。
しかし、世の中にはそうした「訳あり物件」を専門に買い取る業者も存在します。
そうした専門業者に再度査定を依頼すれば、価格は低くなるかもしれませんが、買い取ってもらえる可能性があります。
家を解体して「更地(土地)」として売る
建物の価値がゼロ(またはマイナス)でも、土地には価値が残っています。
売主の費用負担で空き家を解体し、「更地(さらち)」=(土地のみ)の状態にして売却する方法です。
ただし、これには大きな注意点が2つあります。
- 解体費用がかかる:北海道の木造家屋の場合、100万円~200万円程度の解体費用が先出しで必要になります。
- 固定資産税が上がる:家が建っている土地は税金の優遇措置がありますが、更地にするとその優遇がなくなり、固定資産税が最大6倍になる可能性があります。
解体費用を払ってでも、すぐに売れる見込みがある土地(立地が良いなど)でなければ、リスクの高い方法とも言えます。
「自治体」の空き家バンク登録や寄付を検討する
- 空き家バンクへの登録
多くの自治体(市町村)は、空き家を売りたい・貸したい人と、買いたい・借りたい人をマッチングさせる「空き家バンク」制度を運営しています。ここに登録すれば、買い手が見つかる可能性があります。
ただし、これは「買取」ではなく「仲介」に近い仕組みであり、自治体はあくまで情報提供をするだけです。すぐに売れる保証はなく、内覧対応などの手間も発生します。 - 自治体への寄付
本当に最後の手段として、空き家をそのまま自治体に「寄付」するという選択肢もあります。
しかし、多くの自治体は、管理の負担(解体費用など)がかかるため、老朽化した空き家の寄付は受け付けていないのが実情です。「タダでもいいから引き取ってほしい」と思っても、寄付を断られるケースがほとんどであることは理解しておく必要があります。
まとめ:北海道の空き家は「買取」で賢く手放し、リスクを回避しよう
今回は、北海道の空き家をテーマに、放置するリスクから、「仲介」と「買取」の違い、そして買取を選ぶメリットや具体的なステップまで詳しく解説しました。
北海道の空き家は、雪害による劣化の速さや、管理不足による固定資産税の増加、放火のリスクなど、特有の深刻な問題を抱えています。
遠方にお住まいの方や、管理の手間・時間をかけたくない方にとって、「買取」は非常に有効な解決策です。
「買取」なら、古い家や荷物が残った家でも「現状のまま」、最短2週間~1ヶ月で現金化できる可能性があります。
売却前には「相続登記」を済ませ、「3,000万円控除」が使えるかを確認し、必ず3社以上から「相見積もり」を取ることが、賢く売る最大のコツです。
空き家を所有し続けることは、精神的にも金銭的にも大きな負担となります。
この記事でご紹介した「4つのステップ」や「業者選びの5つのポイント」を参考に、まずは信頼できる専門業者へ「無料査定」を依頼することから始めてみてください。
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