住宅ローン控除は中古マンションでも利用できる|適用条件や手続きについて解説

住宅ローン控除を利用して、費用を抑えつつ中古マンションへの引越しを検討している人もいるのではないでしょうか。本記事では、中古マンションの住宅ローン控除を利用するための情報を収集している人に向けて、制度の適用条件や必要な手続きについて解説します。また、住宅ローン控除を利用する場合の注意点についても解説するため、ぜひ参考にしてみてください。

目次

中古マンションでも住宅ローン控除は受けられる

住宅ローン控除とは、「住宅借入金等特別控除」という正式名称の制度であり、住宅ローンを利用した住宅購入に対して税金の還付を行います。

購入する住宅が新築・中古や一戸建て・マンションなどの区別なく、要件を満たすことで制度の適用を受けることができます。具体的には、適用年の年末時点でのローン残高のうち、0.7%が所得税や住民税から控除されます。

中古マンションに住宅ローン控除が適用される9つの条件

中古マンションを購入する際に、住宅ローン控除を適用するための条件は、次のとおりです。

取得してから6か月以内から控除を受ける年分の12月末まで住んでいる

中古マンションの取得日から、6か月以内に居住の用に供していることが条件となっています。加えて、控除を受ける年分の12月31日まで居住の用に供している必要があります。

「居住の用に供した」とは、居住の意思をもって客観的にも継続して生活の拠点として利用したことを指します。また、「居住の用に供した」の判断は、入居目的や建物の構造などを総合的に考慮する必要があります。

床面積と控除を受ける年分の合計所得金額に関する条件を満たす

次に、床面積と控除を受ける年分の合計所得金額に関する条件を満たす必要があります。

条件の詳細は、以下のとおりです。

A:住宅の床面積が50平方メートル以上で床面積の半分以上を居住のために使っている+控除を受ける年の所得が3,000万円以下。

B:住宅の床面積が40~50平方メートルで床面積の半分以上を居住のために使っている+控除を受ける年の所得が1,000万円以下。

中古マンションのローン返済期間が10年以上である

利用している住宅ローンの返済期間も条件となっており、10年以上の返済期間がある必要があります。また、勤務先からの借入金や親族や知人からの借入金は、特別控除の対象外となるケースがあるため、注意が必要です。

複数の住宅を所有している場合に中古マンションを生活の拠点として主に使用している

複数の住宅を所有している場合、中古マンションが主として居住している住宅である必要があります。

居住年からさかのぼって3年間に譲渡所得の課税特例の適用を受けていない

居住した年から過去3年間に、特定の5つの特例制度を利用していないことも条件となっています。

対象となる5つの特例制度は、次のとおりです。

・居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例

・居住用財産の譲渡所得の特別控除(被相続人の居住用財産の譲渡所得の特別控除による適用を除く)

・特定の居住用財産の買換えの場合の長期譲渡所得の課税の特例

・財産を交換した場合の長期譲渡所得の課税の特例

・既存市街地等内にある土地等の中高層耐火建築物等の建設のための買換えおよび交換の場合の譲渡所得の課税の特例

居住年の翌年から3年以内に居住した住宅以外の一定の資産を譲渡していない

居住年の翌年以後3年以内に居住した住宅以外の資産を譲渡し、前述で掲げた5つの課税特例の適用を受けていない必要があります。

中古マンションを親族や特別な関係のある者から取得していない

中古マンションを、取得時および取得後に生計を一にする人から取得する場合、制度の対象外となります。

「生計を一にする」とは、同居していることを要件としたものではなく、日常の生活での財産を共にすることを指します。同居していても「生計を一にする」とはならないケース、別居しているものの「生計を一にする」を判断されるケースもあります。

「生計を一にする」と判断される条件は、以下のとおりです。

・勤務や修学などの理由により同居していない親族がいる場合でも、余暇などでは親族のもとで過ごしている、もしくは日常的に生活費や学資金などの送金が行われている

・親族が同居している(明らかに互いに独立した生活を営んでいる場合を除く)

※参考:「生計を一にしているもの」の意義|国税庁

贈与によって中古マンションを取得していない

中古マンションを贈与された場合、住宅ローン控除は受けられません。ただし、住宅取得資金の贈与(1,000万円まで贈与税を非課税にできる制度)は、併用可能です。

マンションが中古であると認められる要件を満たしている

購入するマンションが、中古であると認められることが必要です。中古であると認められる要件として、以下のA・Bがあり、どちらも満たす必要があります。

A:建築後使用されている

B:次のいずれかに該当する住宅である

・マンションの建築日から取得日までの期間が20年以下である

・マンションが耐震基準に適合している

・2014年4月以後に取得した中古マンションで、取得日までに耐震改修を申請し、住み始める日までに耐震基準に適合すると証明されたものである

中古マンションの住宅ローン控除期間|原則10年

住宅ローンの控除期間は、新築で13年、中古で原則10年と定められています。ただし、買取再販(不動産会社などが買い取った中古住宅をリフォームして販売)の場合は、13年となっています。

住宅ローン控除額の計算方法

住宅ローンの控除額は、住宅ローン控除前の所得税額を限度としており、所得税や住民税によって控除額が異なります。

住宅ローンの控除額の計算式は、次のとおりです。

住宅ローンの年末残高 × 控除率 = 控除額

中古マンションの住宅ローン控除の年末残高限度額

ここからは、中古マンションの住宅ローン控除の年末残高限度額について解説します。

長期優良住宅

長期優良住宅の年末残高限度額は、3,000万円までとなっています。

長期優良住宅とは、長期にわたり良好な状態で使用するための措置が講じられた住宅を指します。長期優良住宅と認められるためには、いくつかの性能項目を満たす必要があります。

長期優良住宅の項目例は、次のとおりです。

・劣化対策

・耐震性

・省エネルギー性

・居住環境

・住宅面積

・維持保全計画

・災害配慮

低炭素住宅

低炭素住宅の年末残高限度額は、3,000万円となっています。

低炭素住宅とは、「省エネ法の省エネ基準に比べて一次エネルギー消費量がマイナス20%以上」かつ「その他の低炭素化に資する措置が講じられている」住宅を指します。

「その他の低炭素化に資する措置」は、次のとおりです。

・HEMSの導入

・節水対策

・木材の利用

・ヒートアイランド対策

ZEH水準省エネ住宅

ZEH水準省エネ住宅の年末残高限度額は、3,000万円までです。ZEH水準省エネ住宅とは、断熱等性能等級5以上かつ一次エネルギー消費量等級6以上の住宅を指します。

省エネ基準適合住宅

省エネ基準適合住宅の年末残高限度額は、3,000万円となっています。省エネ基準適合住宅とは、断熱等性能等級4以上かつ一次エネルギー消費量等級4以上の住宅を指します。

その他の住宅

その他の住宅の年末残高限度額は、2,000万円となっており、上記の中古物件よりも年末残高限度額が低くなっていることに注意が必要です。

中古マンションの住宅ローン控除手続き

ここからは、中古マンションの住宅ローン控除を受ける際の手続きについて解説します。

控除を受ける最初の年

控除の初年度は、確定申告書と必要な添付書類を、住宅地の所轄税務署長に提出します。給与所得がある場合は、給与所得の源泉徴収票の提出や確定申告書への添付は不要です。

控除を受けてから2年目以降

年末調整をする人は、住宅借入金等特別控除申告書と借入金の年末残高等証明書を記載し、手続きを行います。確定申告をする場合は、住宅借入金等特別控除額の計算明細書と年末残高証明書を税務署に提出する必要があります。

中古マンションの住宅ローン控除手続きに必要な書類

住宅ローン控除の申請では、いくつかの書類が必要となるため、事前に取り寄せておきましょう。住宅ローン控除手続きに必要な書類は、次のとおりです。

・確定申告書

・住宅借入金等特別控除の計算明細書

・住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書(原本)

・登記事項証明書(原本)

・不動産売買契約書や建物の工事請負契約書(写し)

・本人確認書類

本人確認書類は、マイナンバーカードもしくは、マイナンバー通知カードが必要です。マイナンバーカードおよびマイナンバー通知カードがない場合は、マイナンバーが記載された住民票と運転免許証、パスポートなどを提示しましょう。

中古マンションの住宅ローン控除を利用する際の注意点

住宅ローン控除を利用する際は、いくつかの注意点があります。

耐震性を証明できない場合は住宅ローン控除の対象外になる

住宅の耐震性を証明できない場合、住宅ローン控除を受けられないケースがあります。

2021年まで築年数に関する要件がありましたが、2022年の税制改正によって廃止されました。2022年の税制改正以降については、原則として「昭和57年以降に建築された新耐震基準適合住宅」が要件となっています。

住宅ローン控除は併用できない特例や控除が存在する

住宅ローン控除を利用する場合、買い替え特例のなかには併用できないものがあります。このように、住宅ローン控除と併用できない特例や控除が存在するため、各特例や控除の利用条件、メリットについて事前に確認しておく必要があります。

まとめ

住宅ローン控除は、一戸建て・マンションどちらであっても適用が可能であり、ローン残高に応じた税控除が受けられる制度です。制度を適用するためには、一定の要件を満たす必要があるため、事前に確認しておく必要があります。

また、住宅ローン控除を申請する場合、確定申告が必要となり、準備する書類も多いため、専門家へ相談することを検討しましょう。

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※2 ハウスドゥは不動産売買仲介専門フランチャイズで店舗数第1位です。「ビジネスチャンス」(2023年12月22日発行-2024年2月号)より。

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