【2025年最新版】マンション売却の税金ガイド|3000万円控除&住宅ローン控除の適用条件とは?

マンション 売却 税金 3000 万 円 控除

「マンションを売却すると、どれくらい税金がかかるの?」「3000万円控除は使える?」「住宅ローンが残っていても適用されるの?」
そんな疑問をお持ちの方も多いでしょう。

実は、マンション売却時の税金を抑えるには、3000万円控除や住宅ローン控除の適用条件を正しく理解し、適切な手続きを行うことが大切です。

条件を満たせば、税負担を大幅に軽減できる可能性があります。

この記事では、マンション売却にかかる税金の仕組みや、3000万円控除の適用条件、住宅ローン控除との関係、さらに確定申告の流れや注意点 について詳しく解説します。

スムーズな売却を実現し、税金の負担を最小限に抑えるために、ぜひ参考にしてください。

目次

マンションを売ったらいくらの税金がかかる?計算方法と基本ルールをシンプルに解説

マンション売却によって生じた利益(譲渡所得)は、所得税および住民税の課税対象となります。

はじめに、税金の計算方法と適用される税率について見ていきましょう。

マンションを売ったときにかかる税金の種類

マンションを売却した場合に、主にかかってくる税金としては、次のようなものがあります。

税金の種類 詳細
譲渡所得税 売却益(譲渡所得)への課税率は所有期間で異なり、5年超所有で約20.315%、5年以下所有で約39.63%となります。
印紙税 売買契約書に貼る印紙代(印紙税)として、契約金額に応じた数百円から数万円が必要です。
登録免許税 不動産の名義変更時にかかる税金(登録免許税)で、売買価格に応じた金額が課されます。
不動産取得税 原則として購入者が負担しますが、例外的に売主が支払うケースもあります。

マンションの売却価格や、どれくらいの期間所有していたかによって、これらの税金の額は変わってきます。
そのため、売却前に内容をきちんと理解しておくことが大切です。

売却価格から引かれる費用と税金の計算方法

マンション売却の税金計算では、まず以下の式で「譲渡所得」を求めます。

譲渡所得 = 譲渡価額(売却価格) - (取得費 + 譲渡費用) - 特別控除

  • 譲渡価額: マンションの売却価格。
  • 取得費: マンションの購入代金、購入時の仲介手数料、登記費用など取得にかかった費用の合計。建物は購入代金から減価償却費相当額を差し引きます。
  • 譲渡費用: 売却時の仲介手数料、印紙税、測量費など売却にかかった費用の合計。
  • 特別控除: 一定要件で適用できる控除。代表例は「マイホームの3,000万円特別控除」。

この譲渡所得に、所有期間に応じた税率を掛けて所得税・住民税額を計算します。

  • 所有期間5年以下(短期譲渡所得): 合計 39.63%(所得税30.63%、住民税9%)
  • 所有期間5年超(長期譲渡所得): 合計 20.315%(所得税15.315%、住民税5%)

注意点: 所有期間は、売却した年の1月1日時点で計算します。

例えば、2019年6月購入、2024年10月売却の場合、2024年1月1日時点の所有期間は4年6ヶ月(5年以下)となり、短期譲渡所得の高い税率が適用されます。

所有期間が5年を超えると税率が大幅に下がるため、可能であれば5年を超えてから売却する方が税負担を軽減できます。

3000万円控除とは?適用条件や申請のポイントをわかりやすく解説

「居住用財産(マイホーム)の3000万円特別控除」は、マンション売却時の税負担を大きく軽減できる特例です。

上記内容を以下で詳しくみていきましょう。

3000万円控除で税金がどれくらい減るのか?

譲渡所得が1500万円であれば、3000万円控除の適用により課税所得は0円。

つまり、所得税・住民税の負担はありません。

たとえ譲渡所得が5000万円にのぼっても、3000万円控除を使えば課税対象は2000万円まで圧縮されます。これにより、税額を大きく抑えることが可能です。

例)計算式:5000万円(譲渡所得)- 3000万円(控除)= 2000万円(課税対象額)

3000万円控除を受けるための適用条件とは?

3000万円特別控除の適用を受けるには、以下の主要な要件をクリアする必要があります。。

  • 居住用家屋(マイホーム)の売却であること(別荘、賃貸物件などは対象外)
  • 居住しなくなった日から3年目の12月31日までの売却であること(長期間の空き家放置は適用外リスクあり)
  • 親子・夫婦など特別な関係者への売却でないこと(親族間売買は原則対象外)
  • 売却年の前年・前々年に本特例や買換え特例等の適用を受けていないこと
  • 【家屋取壊しの場合】取壊し後1年以内の契約、かつ居住しなくなった日から3年目の12月31日までの売却であること

上記で挙げた全ての要件を満たすことが、3000万円特別控除を利用するための必須条件です。

税務署で事前に確認すべきこと

3000万円特別控除を利用するには、細かな適用要件が定められています。

ご自身の状況が要件に合致するかどうか、売却手続きを進める前に、一度税務署へ相談して確認しておくと安心です。

特に、お引っ越しの状況や売却時期のわずかな違いで、控除の対象外となってしまう場合も考えられますので、注意深く確認しましょう。

事前に税務署に確認しておけば、控除を確実に受けられるかどうかが分かり、申告時のミスを防ぐことにもつながります。

住宅ローンが残っているときのマンション売却|税金や控除への影響を解説

住宅ローンの返済がまだ完了していないマンションについて、「売却したいけれど、税金や控除の扱いはどうなるのだろう?」と疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
ここでは、以下の点を中心に解説します。

注意点と、よくある疑問について解説します。

住宅ローンが残っている状態でマンションを売却する方法

住宅ローンの返済が終わっていないマンションを売却する場合、まずそのローンを清算する必要があります。

主な方法としては、次の二つが考えられます。

  1. 売却代金によってローンを一括返済する
    これは、売却によって得た資金でローン残高を一括で返済する、最も標準的な方法です。
    ローンを完済すると同時に抵当権を抹消し、その後、物件を買主へ引き渡します。
  2. 「住み替えローン」を利用して新旧ローンを一本化する
    これは、新居を購入する場合に利用できる方法です。新居の購入費用と、現在残っているローンの残高とを合わせて、一つの新しいローンとして借り換える仕組みになっています。ただし、この方法では、現在の家を売却するタイミングと新居を購入(=ローン実行)するタイミングを、計画的に調整することが求められます。

住宅ローン控除と3,000万円控除の併用は可能か

マイホームに関する税金の優遇措置としてよく知られる「3,000万円特別控除(売却時)」と「住宅ローン控除(購入時)」ですが、これらは原則として同じ年に併用することはできません。

特に覚えておくべき点は、マイホームを売却して3,000万円控除を利用した場合、その売却した年とその翌年、翌々年の3年間は、たとえ新しく家を買って住宅ローンを組んだとしても、その住宅ローン控除は使えなくなってしまうということです。

そのため、どちらの制度を利用した方がトータルで見てご自身にとってメリットが大きいのかは、売却による利益(譲渡所得)の額、新しく購入する家の価格、住宅ローンの借入額など、個別の状況をよく確認し、比較検討した上で慎重に判断する必要があります。

3000万円控除を適用するための確定申告|手続きの流れと必要書類を解説

3,000万円特別控除の適用には、確定申告が必須です。控除により税額が0円になる場合でも、申告手続きは必要なので注意しましょう。

ここでは、確定申告の基本的な流れと手続きのポイントを解説します。

確定申告の基本的な流れ

主な手順は以下の通りです。

  1. 必要書類の準備
    売却・取得に関する書類一式(売買契約書、登記事項証明書、諸費用の領収書など)を揃えます。
    3,000万円控除の申請には、居住用財産であったことの証明書類(住民票の除票など)も必要です。
  2. 申告書の作成
    「確定申告書」と「譲渡所得の内訳書(土地・建物用)」を作成します。
    書類は国税庁HPや税務署で入手可能です。
  3. 申告書の提出と納税
    原則、売却した年の翌年2月16日〜3月15日に税務署へ提出します。
    所得税が発生する場合は期限内に納付。住民税は翌年度に課税・通知されます。

税務署での申請手続きのポイント

手続きにおける主なポイントは以下です。

  • 申告相談の活用
    確定申告期間中の無料相談会は、書き方に不安がある場合に利用すると良いでしょう。
  • 居住用の証明
    居住用財産の証明は重要です。特に売却物件と現住所が異なる場合は、証明書類の添付を忘れずに。
  • 控除の選択
    状況により他の控除(住宅ローン控除、買換え特例等)が有利な場合も。迷う場合は専門家への相談も有効です。

3000万円控除が適用されないケースとその対処法

3,000万円特別控除は、マイホーム売却時の税負担を大きく軽減できる強力な制度です。
しかし、適用には条件があり、すべての場合に利用できるわけではありません。

ここでは、3,000万円控除が適用されない主なケースと、もし控除が利用できなかった場合に検討できる節税対策について解説します。

控除が受けられない主なケース

以下のような状況では、原則として3,000万円特別控除は適用されません。

  1. 親族や自身の関連会社への売却
    親子間や配偶者間、あるいは自身が経営する会社など、特別な関係にある相手への売却は、控除の対象外となります。
    これは、税負担を不当に回避する目的での利用を防ぐための措置です。

  2. 転居してから3年を超えて売却した場合
    その家に住まなくなってから3年目の年の12月31日までに売却する必要があります。
    この期限を過ぎてしまうと、控除は適用されません。例えば、2021年に転居した場合、適用期限は2024年12月31日となり、2025年に売却すると対象外です。
  3. セカンドハウスや別荘など、居住用以外の不動産
    この控除は、あくまで「居住用財産」の譲渡益に対する特例です。
    したがって、日常的に住んでいない別荘や、賃貸に出しているマンションなどの売却益には適用されません。
  4. 他のマイホーム関連特例(買換え特例など)を適用する場合
    居住用財産に関する他の特例(例:特定の居住用財産の買換えの場合の長期譲渡所得の課税の特例など)を利用する場合、3,000万円控除と併用することはできません。
    どちらか一方、有利な方を選択する必要があります。
  5. 税務署によって申告内容が否認される場合
    居住実態がないにも関わらず申告するなど、虚偽や不適切な申告を行った場合、税務署による調査で特例の適用が否認される可能性があります。
    否認された場合、本来納めるべき税金に加え、ペナルティとして加算税などが課されることもあります。

控除が使えないときの節税対策

もし3,000万円控除が利用できない状況でも、税負担を軽減するためにできることはあります。以下の対策を検討してみましょう。

  • 譲渡費用を漏れなく計上する

    マンション売却のために直接かかった費用(仲介手数料、印紙税、測量費など)を正確に計算し、譲渡所得から差し引くことが重要です。
    これにより課税対象額を減らせます。関連する領収書などは必ず保管しておきましょう。

  • 取得費を正確に把握し計上する

    購入時の契約書や領収書を確認し、取得費(購入代金、購入時の仲介手数料、登記費用など)を正しく計算して計上します。(取得費が不明な場合、売却額の5%を概算取得費とする方法もありますが、実際の取得費の方が大きい場合はそちらを適用すべきです。)

  • ふるさと納税を活用する

    譲渡所得が発生してその年の所得が増えると、ふるさと納税の控除限度額も増える可能性があります。
    限度額内で寄付を行えば、実質的な税負担を軽減しつつ返礼品を受け取れます。

  • 他の所得控除を最大限活用する

    医療費控除、社会保険料控除、生命保険料控除、iDeCoの掛金控除など、その年に適用できる他の所得控除を漏れなく申告することも有効です。
    これにより、課税所得全体を圧縮できます。

これらの対策を組み合わせることで、たとえ3,000万円特別控除が適用できない場合であっても、最終的な税負担を軽減できる可能性があります。

住宅ローン控除と3000万円控除の違いとは?どちらを適用すべきか?

マイホームに関わる税金の軽減制度として、「住宅ローン控除」と「3,000万円特別控除」があります。
どちらも税負担を軽くするためのものですが、その内容や適用条件、効果は異なります。

上記の内容を以下にて詳しく解説します。

併用の可否と控除の選び方

まず、重要な点として、住宅ローン控除と3,000万円特別控除は、原則として併用できません。
したがって、ご自身の状況に合わせて、どちらか一方を選択する必要があります。

それぞれの制度を簡単に説明します。

  • 3,000万円特別控除: 自宅を売却した際に得た利益(譲渡所得)から、最大で3,000万円を差し引くことができる制度です。

  • 住宅ローン控除: 新たに住宅ローンを組んで家を購入した場合に、年末のローン残高に応じて、所得税や住民税が一定期間軽減される制度です。

ただし、注意が必要なのは、3,000万円特別控除を利用すると、その家を売却した年とその後の2年間(合計で最大3年間)は、新たに購入した家について住宅ローン控除を受けることができなくなります。

このルールを踏まえて、どちらを選ぶべきか考えましょう。

  • 売却による利益(譲渡所得)が大きく、それにかかる税金の負担が大きい場合は、3,000万円特別控除を選択する方が有利になる可能性が高いです。

  • 一方で、売却益はそれほど大きくなく、新居の購入価格が高額で住宅ローン借入額も多い場合は、住宅ローン控除を利用することで、長期間にわたる税負担の軽減が期待できます。

このように、どちらの制度が適しているかは、売却時の利益額や新居の購入条件などによって変わってきます。それぞれのメリット・デメリットを正しく理解し、慎重に判断することが大切です。

税金シミュレーションでどちらがお得かチェック

どちらの控除を選ぶべきか迷ったときは、税金のシミュレーションを行うことが有効です。
具体的な金額を想定して計算することで、どちらがご自身にとって有利かを判断しやすくなります。

  • 3,000万円特別控除は、適用できれば譲渡所得にかかる税金を大幅に、場合によってはゼロにできるため、短期的に大きな節税効果があります。

  • 住宅ローン控除は、適用期間が最長13年(※制度内容による)と長く、ローン残高によってはトータルでの減税額が大きくなる可能性があります。

例えば、譲渡所得が2,000万円の場合、3,000万円控除を使えば課税対象額が0円となり、税負担が大幅に軽減されます(税率によっては数百万円単位の節税効果)。

他方、新居購入で4,500万円のローンを組む場合、住宅ローン控除によって、適用期間全体で数百万円規模の税金が戻ってくる可能性があります(※控除額はローン残高や所得、制度の詳細により変動します)。

こうしたシミュレーションを通じて、ご自身のケースでどちらがよりメリットが大きいかを見極めることができます。

ただし、税金の計算は複雑なため、より正確な判断のためには、税理士などの専門家に相談することをおすすめします。

間違えやすいポイントと注意すべき落とし穴

控除制度の選択において、併用不可のルールや適用条件を誤解していると、思わぬ不利益につながる可能性があります。

  • 併用不可の誤解: 最も注意すべき点は、やはり「原則併用できない」ということです。

  • 適用要件の見落とし: 各控除にはそれぞれ適用されるための条件があります。
    例えば、3,000万円控除には「居住期間」などの要件が、住宅ローン控除には「年末ローン残高」や「住宅の床面積・性能」などの要件が定められており、これらを満たさなければ利用できません。

過去の適用ミスの例としては、「譲渡所得税が0円になるだろう」と考えて3,000万円控除を申請したものの、居住期間の要件を満たせず適用されなかったケースや、「新居で住宅ローン控除を使える」と思っていたのに、直近3年以内に売却した別の家で3,000万円控除を受けていたために適用できなかった、といったケースが挙げられます。

このような失敗を避けるためにも、制度の内容や適用条件を事前にしっかりと確認し、少しでも不明な点があれば税務署や専門家に相談することが重要です。

マンション売却で使えるその他の節税対策|3000万円控除以外にも活用できる制度とは?

マンションを売却する際の節税策として、3,000万円特別控除は有名ですが、それ以外にも税負担を軽減できる制度があります。

これらの制度を上手に組み合わせることで、税負担を抑え、手元に残る資金を最大限に増やすことが期待できます。
それぞれの内容を詳しく見ていきましょう。

ふるさと納税を活用して税金を減らす方法

ふるさと納税は、自治体への寄付を通じて税金控除を受けられる制度です。

マンション売却で所得が増加した場合、この制度が節税に役立つことがあります。

なぜなら、売却による所得増は課税所得を増やし、それに伴いふるさと納税の控除上限額も引き上げられるためです。

結果として、より多くの寄付が可能となり、控除額も増大。節税効果が高まるわけです。

例えば、年収500万円の方がマンション売却で1,000万円の譲渡所得を得ると、控除上限額は大幅にアップします。

そして、寄付額から自己負担2,000円を除いた全額が所得税・住民税から控除され、納税額の軽減につながります。

加えて、多くの自治体から魅力的な返礼品を受け取れる点もメリットでしょう。
ただし、自己負担2,000円の発生、そして控除を受けるための正しい手続きが必要なことには注意してください。

相続や贈与を利用した節税のポイント

相続や贈与の仕組みを計画的に活用することも、マンション売却後の資産に関わる税金(相続税や贈与税)を軽減する上で有効な手段となり得ます。

例えば、生前贈与を利用すれば、将来の相続財産をあらかじめ減らしておくことで、相続発生時の相続税負担を抑える効果が期待できます。

暦年贈与の場合、年間110万円までの贈与であれば贈与税がかからないため、この非課税枠内で計画的に財産を移転していく方法があります。

マンション売却で得た資金の一部を、子どもや孫へ年間110万円以下の範囲で贈与する場合も、贈与税は課されません。

また、教育資金や結婚・子育て資金など、特定の目的のための贈与には、より大きな非課税枠が設けられている制度もあります(例:「教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税措置」)。

これらを活用すれば、資産移転の選択肢がさらに広がります。

相続や贈与に関する税制は複雑であり、計画的に行うことで節税効果を最大化できるため、税理士などの専門家に相談しながら、ご自身の状況に合った最適な方法を選択するのがおすすめです。

確定申告時に見落としがちな控除とは?

定申告では、適用できる控除を漏れなく申告すれば節税につながりますが、見落としやすい控除もあります。

特にマンション売却で損失(譲渡損失)が出た場合は注意が必要です。

一定要件下で「損益通算」や「繰越控除」といった特例を利用できます。

損益通算により、譲渡損失を給与所得など他の所得と相殺して課税所得を減らせますし、さらに、相殺しきれない損失は翌年以降最大3年間繰り越して控除することも可能です(繰越控除)。

例えば、500万円の譲渡損失が出れば、その年の給与所得から差し引くことで、所得税・住民税の負担を軽減できます。

このほか、年間の医療費が一定額を超えた際の「医療費控除」や、災害・盗難時の「雑損控除」なども、該当するなら忘れずに申告しましょう。

確定申告では利用できる控除をしっかり確認することが大切です。

特に不動産取引の税務は複雑なため、不明点は税務署や税理士に相談するのがおすすめです。

3000万円控除を最大限活用するための売却タイミングと条件とは?

3,000万円特別控除は、上手に活用すれば数百万円以上の節税も期待できます。

ここでは、最適なタイミングの見極め方と、税金・市場価格を考慮した賢い売却戦略を解説します。

売却のベストタイミングを見極める

3,000万円控除を最大限活用するには、売却前の計画と条件確認が重要です。

この控除には、「自身が居住していた家」や「過去3年間に同特例等を受けていない」など、いくつかの要件があります。

相続空き家は別の特例対象ですが、3,000万円控除で家屋を解体して売る場合は、「解体後1年以内の契約」といった追加ルールに注意しましょう。

例えば、転勤後に賃貸に出した自宅を解体後、1年以内に売却できず控除を使えなかったケースがあります。

一方、10年以上所有した不動産売却で、この控除と軽減税率を併用し、税金を大幅に減らした成功例も見られます。

売却タイミングや書類準備を把握し、専門家と相談しつつ計画的に進めれば、税負担を大きく減らせますが、それには正しい準備と確認が不可欠です。

税金や市場価格を考慮した賢い売却戦略

3,000万円控除の条件を満たしつつ譲渡所得税を減らすには、経費の適切な計上や適正価格での売却といった工夫が大切です。

まず、この控除は譲渡所得から最大3,000万円を差し引ける制度であり、「実際に住んでいた家」「転居後期限内の売却」「特別な関係者以外への売却」などの条件があります。

そして、税金計算では、譲渡所得から仲介手数料などの譲渡費用購入時の取得費を正確に差し引くことが重要です。

例えば、5,000万円で購入した物件を7,000万円で売却し、譲渡所得が2,000万円の場合、3,000万円控除を適用すれば課税所得は0円となり、税金はかかりません。

さらに譲渡費用などを計上すれば、控除前の譲渡所得が3,000万円を超えていても、課税対象額を圧縮できる可能性があります。

3000万円控除を活用して税金を減らした人の成功事例

実際に3,000万円特別控除を活用し、税負担を大幅に軽減できた成功事例をご紹介します。

また、どのようにすれば税負担を最小限に抑えられるのか、そのポイントについても見ていきましょう。

実際に控除を活用して税金を抑えた売却事例

まず、3,000万円特別控除は、不動産売却時の譲渡所得税を大きく軽減できる制度であり、これを上手に活用すれば数百万円以上の節税効果も期待できます。

事例1: 自宅を1億円で売却し、譲渡所得が5,000万円発生したケース

この場合、控除を利用することで課税対象額は2,000万円(5,000万円 – 3,000万円)に減少しました。
さらに、所有期間などの条件を満たしたため軽減税率も適用でき、結果として数百万円規模の節税が実現しました。

事例2: 売却価格5,000万円、取得費3,000万円、譲渡費用200万円というケース

この場合、控除適用前の譲渡所得は1,800万円(5,000万円 – 3,000万円 – 200万円)となります。
この譲渡所得額は3,000万円の控除枠内に収まるため、控除によって全額が差し引かれ、譲渡所得税はゼロになりました。

どのように売却すれば税負担を最小限にできるのか?

3,000万円特別控除を最大限に活用するためには、売却前の計画立案や適用条件の確認が非常に重要です。

この控除には、例えば「自身が居住していた家屋であること」や「過去3年間に同じ控除や他のマイホーム関連特例の適用を受けていないこと」など、いくつかの適用要件が定められています。

また、特に注意が必要な点として、家屋を解体して土地として売却する場合には、「解体日から1年以内に売買契約を締結」し、かつ「居住しなくなってから3年目の年末までに売却」するという追加のルールがあります。(※相続した空き家については、条件を満たせば別の特例が使える場合がありますが、この3,000万円控除とは制度が異なります。)

実際にあった例として、ある方は転勤後に自宅を一時的に賃貸に出し、その後解体しましたが、解体から1年以内に売却契約を結ぶことができなかったため、結果的に3,000万円特別控除を利用できませんでした。

一方で、10年以上所有していた不動産を売却する際に、この3,000万円控除と、長期譲渡所得に対する軽減税率(※所有期間に応じた低い税率)を併用することで、税負担を大幅に軽減できた成功事例もあります。

このように、売却のタイミングを見極め、必要な書類を準備するなど、事前に内容をきちんと把握し、不動産会社や税理士といった専門家にも相談しながら計画的に進めることが、税負担を大きく減らす鍵となります。

3,000万円特別控除は非常に有効な節税手段ですが、その恩恵を受けるためには、正しい知識に基づいた準備と確認が不可欠であると言えるでしょう。

3000万円控除を適用できなかった失敗事例とその原因

3,000万円控除は大きな節税効果がありますが、適用されないケースも少なくありません。
主な原因は条件の理解不足です。

ここでは、控除が受けられなかった具体的なケースとその原因・対策を見ていきましょう。

控除が受けられなかった具体的なケース

代表的な失敗例は以下の3つです。

  1. 同族会社への売却
    ある方が同族会社へマンションを譲渡する際、税理士から誤って「控除適用可」との助言を受け実行。
    しかし同族会社への譲渡は対象外のため、税務調査で否認され修正申告となりました。
  2. 居住実態の不足
    店舗閉鎖後に居住していた土地建物を売却し、「居住用」として控除を申告。
    ところが、税務調査で居住実態が確認できず、控除は認められませんでした。
  3. 相続財産の換価分割
    相続した不動産を売却する際も居住要件は必要です。
    例えば、同居していた長男は控除を受けられた一方、別居の次男は対象外となり、譲渡益に課税されました(換価分割の場合)。

適用条件を満たせなかった理由と対策

これらの失敗から、原因と対策を整理します。

  1. 同族会社への譲渡
    原因: 同族会社は税法上「特別な関係者」とみなされ、控除対象外です。
    対策: 専門家に相談する場合でも、セカンドオピニオンを求めるなど、複数の意見を聞き、条件を正確に確認しましょう。
  2. 居住実態の欠如
    原因: 「居住用」と認められるには、単なる住民票移動だけでなく、実際に生活の本拠として使用した事実が必要です。
    対策: 公共料金の支払記録や郵便物など、居住実態を客観的に証明できる証拠を準備しておきましょう。
  3. 相続財産の分割方法
    原因: 換価分割では、居住要件を満たさない相続人も直接売却益を得るため、控除を受けられません。
    対策: 代償分割など他の方法を検討し、控除適用者が不利にならないよう工夫することが考えられます。専門家への相談が推奨されます。

よくある質問|マンション売却時の税金と控除に関するQ&A

マンション売却時のよくある質問とその回答は以下にまとめました。

Q1. マンションを売却した場合、税金は必ず発生するものなのでしょうか?
A. 利益(譲渡所得)が出た場合に所得税・住民税が課税されます。
ただし、マイホームなら3,000万円控除を適用でき、利益が控除額以下なら課税されません。
利益が出なければ課税されません(損失時は確定申告で税負担を軽減できる場合あり)。

Q2. 3,000万円控除を受けるには住民票が必要ですか?
A. 確定申告で「居住証明書類(住民票の除票など)」の提出を求められることがあります。
必須ではありませんが、準備しておくとスムーズです。引越し後に売却する場合、転出前の除票などを役所で取得し、証拠として保管しましょう。

Q3.夫婦で共同所有しているマンションを売る場合、控除は夫婦それぞれ受けられますか?
A. はい。共有者それぞれが持ち分に応じた譲渡所得に3,000万円控除を適用できます。
例:夫婦共有(各50%)で譲渡益4,000万円の場合、各2,000万円の利益に控除を適用でき、夫婦とも非課税になります(実質4,000万円控除)。

Q4. 住宅ローン控除との併用は本当にできませんか?
A. 原則、同一年には併用できません。
また、住宅ローン控除の要件に「入居年の前・当年・翌年に3,000万円控除等を受けていないこと」とあります。
つまり、売却の前後数年は併用不可のため、買い替えでは原則どちらかを選択します。

Q5. マイホームを買い替える際、売却した家の3,000万円控除を利用すると、新しく購入する家の住宅ローン控除は、将来にわたって一切適用できなくなるのでしょうか?
A. いいえ、一定期間(売却の年とその前後2年)適用できないだけです。
その期間経過後にローンを組んで入居すれば、住宅ローン控除を受けられます。
例えば、売却から4年後に新居のローンを組めば適用可能です。

Q6.マンションを売って損した場合、税金が返ってくることはありますか?
A. ご自宅(マイホーム)を売却して損失が発生し、かつ、その物件に住宅ローンの残債がある場合に限り、「損益通算」という制度を利用して他の所得(例:給与所得)と相殺し、所得税の一部が還付される特例があります。
さらに、その年に相殺しきれなかった損失は、翌年以降3年間にわたって繰り越し、控除することが可能です(繰越控除)。
これらの特例を利用するためには、確定申告が必要です。
一方、住宅ローンが残っていない場合の売却損失については、原則として損益通算が認められず、税金の還付もありません。

Q7. 親から相続した家を売る予定ですが、3,000万円控除は使えますか?
A. 通常の3,000万円控除は自身が住んでいた家が対象のため、相続した家に住んでいなければ適用できません。
ただし、被相続人が一人暮らしだった家を一定条件で売る場合、「相続空き家の3,000万円控除」という別特例を利用できる可能性があります。
建築時期など条件が細かいため、該当しそうなら専門家へ確認しましょう。

Q8. 確定申告ではどの書類を提出すればいいですか?
A. 基本は確定申告書、第三表、譲渡所得内訳書に、以下の書類等を添付します。
(1) 売買契約書コピー(売却時・購入時)
(2) 諸経費の領収書コピー
(3) 登記事項証明書
(4) 本人確認書類コピー
(5) 特例関係書類(該当する場合)など。
詳細は税務署や国税庁サイトで確認してください。

Q9. 確定申告で控除の申請を忘れてしまった場合、後日申請して適用を受けることは可能でしょうか?
A. 期限後申告や更正の請求で後から申請可能です。
ただし、手続きが煩雑になり、延滞税等が発生する場合もあります。
できるだけ期限内(原則3/15まで)に申告しましょう。
期限後は速やかに税務署へ相談し、対応(還付申告は5年以内可など)を確認してください。

Q10. 3,000万円控除は、いつまで利用できる制度なのでしょうか? 期限などはありますか?
A. 2025年現在、この特例について特定の終了期限は設けられていません。
長期間にわたって適用されている制度であり、最近の税制改正でもその継続が確認されています。
ただし、将来的に税制が変更される可能性は常にありますので、制度が現存するうちに活用を検討するのが確実な方法と言えるでしょう。
仮に今後、制度の見直しが本格的に議論されるようなことがあれば、売却時期を早めるなどの判断が必要になるかもしれません。

まとめ

マンション売却にかかる税金は、複雑でわかりにくいと感じるかもしれません。

しかし、制度を正しく理解し、適切な対策を講じることで、税負担を大幅に軽減できます。

特に、3000万円特別控除は、マイホーム売却時の強力な味方です。

適用要件を満たせるように、売却のタイミングや方法を計画的に進めましょう。

この記事が、あなたのマンション売却の一助となれば幸いです。

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※2 ハウスドゥは不動産売買仲介専門フランチャイズで店舗数第1位です。「ビジネスチャンス」(2023年12月22日発行-2024年2月号)より。

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