マンション売却時にかかる税金は?計算方法や節税に役立つ特例などを詳しく解説

所有しているマンションを売却する際には、さまざまな税金がかかります。どのくらい税金がかかるのか把握しておかないと、費用が負担になることもあるでしょう。この記事では、マンションの売却にかかる税金の種類や計算方法、特例などについても詳しく解説します。

マンションの売却益にかかる「譲渡所得税」

項目 

詳細

税率

所得税 

所得税は所得に応じて課される税金

  • 所有期間が5年以下ならば短期譲渡所得となり、税率は30%
  • 所有期間が5年以上ならば長期譲渡所得となり、税率は15%

復興所得税

東日本大震災の復興に充てられる税金

  • 5年以下が0.63%
  • 5年以上が0.315%

住民税

所得に応じて住んでいる自治体に納める地方税

  • 5年以下なら9%
  • 5年以上が5%

購入したときよりもマンションの価格が高くなっていると、売却時に利益がでます。その売却益(譲渡所得)に対してかかってくるのが譲渡所得税です。譲渡所得税には、以下の段落でさらに掘り下げて解説する所得税と復興特別所得税、住民税があります。

所得税

所得税は所得に応じて課される税金で、国に納める国税です。給与所得や事業所得とは別に税額を計算しますが、税率はマンションを所有していた年数によって異なります。所有期間が5年以下ならば短期譲渡所得となり、税率は30%です。5年を超えると長期譲渡所得で15%になります。節税をしたいのなら、5年以上所有してから売却するのがポイントです。

復興特別所得税

復興特別所得税は、東日本大震災の復興に充てられる税金として、2037年まで所得税に上乗せして課されます。所得税と同様に所有期間によって税率は異なり、5年以下が0.63%、5年を超えると0.315%です。所有期間が短いと、最大で利益の0.63%を納税する必要があります。

住民税

住民税は、所得に応じて住んでいる自治体に納める地方税です。所得税と同じように所有期間によって違い、5年以下なら9%、5年を超えていると5%の税率が適用されます。会社員は売却した翌年から翌々年の5月まで、給与からの天引きで納めます。自営業者の場合は自分で納税する必要があるため、注意してください。

売買契約書の作成に生じる「印紙税」

印紙税は、不動産売買契約書などの課税文書に印紙を貼ることで納める国税です。印紙税の金額は、売買契約書に記載されている契約金額によって決まります。

契約金額 印紙税額
10万円以下 200円
10万円超 50万円以下 400円
50万円超 100万円以下 1,000円
100万円超 500万円以下 2,000円
500万円超 1,000万円以下 10,000円
1,000万円超 5,000万円以下 20,000円
5,000万円超 1億円以下 60,000円
1億円超 5億円以下 100,000円
5億円超 10億円以下 200,000円
10億円超 50億円以下 400,000円
50億円超 600,000円

参照:国税庁 印紙税額

不動産売買契約書にかかる印紙税には軽減措置があり、10万円を超える契約金額に対しては軽減税率が適用されます。

契約金額 本則税率 軽減税率
10万円超 50万円以下 400円 200円
50万円超 100万円以下 1,000円 500円
100万円超 500万円以下 2,000円 1,000円
500万円超 1,000万円以下 10,000円 5,000円
1,000万円超 5,000万円以下 20,000円 10,000円
5,000万円超 1億円以下 60,000円 30,000円
1億円超 5億円以下 100,000円 60,000円
5億円超 10億円以下 200,000円 160,000円
10億円超 50億円以下 400,000円 320,000円
50億円超 600,000円 480,000円

参照元:国税庁 不動産売買契約書の印紙税の軽減措置

抵当権抹消登記に生じる「登録免許税」

登録免許税は、法務局で不動産の登記を申請する際にかかる国税です。住宅ローンを組んで購入した場合、マンションには金融機関の抵当権が設定されています。住宅ローンの残債があるマンションを売却する場合は、抵当権抹消登記にかかる登録免許税が課されます。

事業目的の売却に生じる「消費税」

事業目的でマンションを売却する場合、免税業者以外は消費税が課税されます。マイホームの売却は非課税です。しかし、店舗や事務所のように事業用として使用していたマンションや、投資用に所有していたマンションを売却するときは消費税がかかってきます。

マンション売却時に生じる税金のシミュレーション

具体的にマンション売却時にかかる税金のシミュレーションをするためには、以下に挙げるような物件を購入したときの情報と、売却したときの情報が必要です。

  • 売却時の価格
  • 固定資産税清算金
  • 購入時の価格
  • 譲渡費用
  • 取得費用
  • 所有期間

またマンションを売却するにはその流れや売却時にかかる手数料も理解しておく必要があります。詳しくは以下の記事で解説しています。あわせて参考にしてください。

マンション売却で利益が発生した場合|税金の計算方法

マンション売却で利益が発生すると、譲渡所得税および復興特別所得税を納めなければなりません。次に税金の計算方法を解説します。

譲渡所得税の計算方法

譲渡所得の金額は「売却時の価格 - 譲渡費用 - 取得費用」で算出します。譲渡価格はマンションの売却価格と固定資産税清算金を足した金額です。取得費用はマンションの購入にかかった金額で、建物の場合は購入価格から減価償却費を差し引いた金額になります。

計算式は「取得費用 = 土地購入価格 + (建物購入価格 - 減価償却費)」です。

なお、減価償却費は「購入費用 × 0.9 × 償却率 × 経過年数」で算出します。譲渡費用は印紙税や不動産会社に支払った仲介手数料など、売却時にかかった費用です。

復興特別所得税の計算方法

復興特別所得税の税率は一律2.15%です。所得税に上乗せして課されるため、マンションの所有期間が5年以下の場合は「短期譲渡所得の税率30% × 0.021 = 0.63%」です。所得税と復興特別所得税を足した税率は「30%+0.63%=30.63%」となります。

5年を超えて所有していたマンションの復興特別所得税の税率は「長期譲渡所得の税率15% ×0.021 = 0.315%」です。所得税と復興特別所得税を足した税率は「15% + 0.315% = 15.315%」となります。

マンション売却時の節税に役立つ特例

売却して利益があった場合、翌年の2月16日から3月15日までの間に確定申告をする必要があります。節税にも役立つため、詳細を確認しておいてください。

3,000万円特別控除

マイホームとして使っていたマンションを売却する場合、要件を満たしていれば最大3,000万円まで控除が受けられる「3,000万円特別控除」があります。3,000万円特別控除は、譲渡所得から3,000万円を差し引いて計算できる制度です。

税金の算出根拠となる金額を低く抑えられるため、節税効果を期待できます。ただし、この控除を利用すると、住み替えなどで新居を購入した場合の住宅ローン控除は適用されません。

取得費加算の特例

相続した不動産を売却するケースでは、取得費加算の特例を利用できます。取得費加算の特例は、相続税を一定金額までマンションの取得費用に加算できる制度です。相続税を取得費用として一緒に差し引けるため、その分、譲渡所得の金額を抑えることができます。

取得費用が増えれば、結果的に税金も安くなります。ただし、適用を受けるためには、相続開始の日の翌日から相続税の申告期限の翌日以後、3年経過するまでに売却しなければなりません。

損益通算及び繰越控除の特例

損益通算及び繰越控除の特例は、マンションの価格が購入時よりも低くなり、売却して譲渡損失がでた場合に利用できる制度です。不動産の売却で発生した損失は、本業の給与所得や事業所得など他の所得から差し引けます。

繰越控除の特例は、損失が1年で相殺しきれない場合、最長3年間繰り越して差し引ける仕組みです。損益通算及び繰越控除の特例は、マイホームの買い替えやオーバーローンのマイホームを売却するときなどに適用できます。

マンション売却時の税金の控除特例に関する注意点

マンション売却時に特例を利用して控除を受けようと考えている場合は、以下の点に注意してください。

併用できない特例がある

マンションの売却時に受けられる可能性のある特例はいくつかあるものの、すべてが使えるわけではありません。3,000万円特別控除と、10年以上所有しているマイホームの売却に使える軽減税率の特例は併用できます。

しかし、この2つの特例は、住宅ローン控除との併用は認められません。また、買い替え特例と、3,000万円特別控除・軽減税率の特例も併用はできないため注意が必要です。

確定申告をしなければ控除を受けられない

マンション売却時には節税に効果的な特別控除や特例がありますが、特例は条件を満たしていれば自動的に適用されるわけではありません。減税を受けるためには、確定申告をする必要があります。該当する特別控除や特例があれば、必要書類を準備して必ず確定申告しましょう。

まとめ

所有しているマンションを売却して利益がでれば譲渡所得税がかかってきたり、手続きに関連してさまざまな税金が発生したりします。不動産の売却時には特別控除や特例が設けられているため、該当すれば節税が可能です。

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※2 ハウスドゥは不動産売買仲介専門フランチャイズで店舗数第1位です。「ビジネスチャンス」(2023年12月22日発行-2024年2月号)より。

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