 
        事業として土地を売却するときには、帳簿に記帳して仕訳を行い、会計処理をする必要があります。しかし、会計処理に不慣れな場合など、土地売却における記帳や仕訳方法が不明瞭なことは多いでしょう。
この記事では、土地を売却した際の仕訳に関する基本ルールや、土地の売却に伴う経費の仕訳方法などを解説します。ケース別の土地売却時の仕訳方法や、土地売却の仕訳における注意点についても解説するので、参考にしてください。
事業として土地を売却するときには、帳簿に記帳して仕訳を行い、会計処理をする必要があります。しかし、会計処理に不慣れな場合など、土地売却における記帳や仕訳方法が不明瞭なことは多いでしょう。
この記事では、土地を売却した際の仕訳に関する基本ルールや、土地の売却に伴う経費の仕訳方法などを解説します。ケース別の土地売却時の仕訳方法や、土地売却の仕訳における注意点についても解説するので、参考にしてください。
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土地売却の仕訳に関する基本ルール
土地の売却においては、仕訳の際にいくつかの基本的なルールがあります。ここでは、仕訳の際の勘定科目、売却利益、仕訳の日付に関する基本ルールを解説します。
勘定科目は固定資産売却損益勘定になる
個人事業主の場合、土地の売却により発生した利益は、固定資産売却損益勘定に仕訳します。事業利益あるいは売上ではないため、売上勘定として仕訳することはできない点に注意が必要です。帳簿上で分けて記載するように気をつけましょう。なお、建物や車などを売却した場合にも、利益の計上には固定資産売却損益勘定が用いられます。
売却利益は簿価を基準とする
利益が出ているかどうかの判断や、どの程度の利益になるかといった判断は、簿価を基準に行います。簿価とは、土地を実際に取得したときの金額です。取得後に資産の評価額が上下したとしても関係がなく、簿価は一定額のままです。売却時は当時の帳簿などを参考に、利益がいくら出たのかを計算しなければなりません。
仕訳の日付は2パータンから1つ選ぶ
仕訳の日付を決める方法は2つあり、どちらか1つを選ぶ必要があります。選択肢となるのは以下の2種類です。
- 売買契約を締結した日
- 実際の不動産引き渡し日
どちらの日付にしなければならないわけではありませんが、所得税の計算にかかわるため注意が必要です。所得税は12月31日までの暦年で計算されるため、それぞれの日付で年度をまたぐ場合は税額に影響します。
土地には消費税がかからない
土地のみの取引には、原則として消費税がかかりません。消費税のかからない取引には、土地の譲渡や貸付けなどが挙げられます。ただし、不動産売却の仲介手数料や司法書士への手数料、融資の手続きでの手数料など、土地の売却に伴い発生した費用は消費税の課税対象です。誤りがないよう注意しましょう。
土地売却における経費の仕訳方法
土地売却においては、土地そのものの売買金額だけでなく、売却にかかった経費も仕訳を行い、記帳しなければなりません。ここでは、経費の仕訳方法を解説します。
仲介手数料
不動産会社に土地の売却を依頼していた場合、成約時に仲介手数料が発生します。実際の売却時に発生した仲介手数料は、支払手数料の勘定項目に記載可能で、経費として扱える金額です。なお、土地そのものではないと解釈するため、仲介手数料には消費税が課税されます。
借入の繰上返済手数料
土地の売却によって得た代金を金融機関から借り入れた資金の一括弁済に使った場合は、繰上弁済(一括弁済)手数料が発生します。なお、金融機関繰上弁済(一括弁済)手数料は、支払手数料として費用計上が可能です。
固定資産税・都市計画税の精算金
土地を所有していると、固定資産税や都市計画税がかかります。固定資産税・都市計画税は、その年の1月1日時点で不動産を所有している人に課され、途中で所有者が変更されても支払者を途中で変更することができません。そのため、1年分の固定資産・都市計画税を日割り計算して、買主と売主で分担することが通例となっています。なお、分担の割合は売主が土地の引き渡し日前日まで、買主が引き渡しの当日以降です。
この際、売主側の仕訳は、買主から受け取った固定資産税分の額を一旦預り金として計上します。さらに、実際に固定資産税を支払う際に、預り金を取り崩すという形をとります。
ケース別の土地売却時の仕訳方法
土地売却の状況によって、仕訳方法が異なるケースもあります。ここでは、土地売却のさまざまなケースごとに、適切な仕訳方法をみていきましょう。
土地を簿価よりも安く売却
土地を簿価よりも安く売却している場合の仕訳方法です。たとえば、以下のようなケースを想定します。
| 種類 | 金額 | 
|---|---|
| 簿価 | 1,000万円 | 
| 売却額 | 800万円 | 
| 仲介手数料 | 30万円(800万円×3%+6万円) | 
この場合、仕訳の詳細は以下のようになります。
| 借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 | 
|---|---|---|---|
| 現金 | 770万円 | 土地 | 1,000万円 | 
| 仲介手数料 | 30万円 | – | – | 
| 固定資産売却損 | 200万円 | – | – | 
貸方金額として簿価を記入し、売却額との差額を借方金額に記入することがポイントです。
土地を簿価よりも高く売却
土地を簿価よりも高く売却した場合の仕訳方法です。例として、以下のようなケースを想定しましょう。
| 種類 | 金額 | 
|---|---|
| 簿価 | 1,000万円 | 
| 売却額 | 1,200万円 | 
| 仲介手数料 | 42万円(1,200万円×3%+6万円) | 
この場合、仕訳の詳細は以下のようになります。
| 借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 | 
|---|---|---|---|
| 現金 | 1,158万円 | 土地 | 1,000万円 | 
| 仲介手数料 | 42万円 | 固定資産売却益 | 200万円 | 
簿価よりも安く売却した際に比べると、固定資産売却益が貸方金額として記入される点が大きな違いです。
土地と建物を簿価よりも安く売却
土地と建物の双方を、簿価よりも安く売却した場合の仕訳方法です。たとえば、以下のようなケースを想定しましょう。
| 種類 | 金額 | 
|---|---|
| 土地の簿価 | 1,000万円 | 
| 建物の簿価 | 1,000万円 | 
| 土地の売却額 | 900万円 | 
| 建物の売却額 | 800万円 | 
| 仲介手数料 | 57万円(1,700万円×3%+6万円) | 
この場合、仕訳の詳細は以下のようになります。
| 借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 | 
|---|---|---|---|
| 現金 | 1,643万円 | 土地 | 1,000万円 | 
| 仲介手数料 | 57万円 | 建物 | 1,000万円 | 
| 固定資産売却損 | 100万円 | 仮受消費税 | 80万円 | 
| 固定資産売却損 | 200万円 | – | – | 
貸方金額として簿価を記入し、売却額との差額を借方金額に記入します。土地のみの取引に比べて、消費税を記入しなければならない部分にも注意が必要です。
土地と建物を簿価よりも高く売却
土地と建物の双方を、簿価よりも高く売却した場合の仕訳方法です。たとえば、以下のようなケースを想定しましょう。
| 種類 | 金額 | 
|---|---|
| 土地の簿価 | 1,000万円 | 
| 建物の簿価 | 1,000万円 | 
| 土地の売却額 | 1,200万円 | 
| 建物の売却額 | 1,100万円 | 
| 仲介手数料 | 75万円(2,300万円×3%+6万円) | 
この場合、仕訳の詳細は以下のようになります。
| 借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 | 
|---|---|---|---|
| 現金 | 2,225万円 | 土地 | 1,000万円 | 
| 仲介手数料 | 75万円 | 固定資産売却益 | 200万円 | 
| – | – | 建物 | 1,000万円 | 
| – | – | 固定資産売却益 | 100万円 | 
| – | – | 仮受消費税 | 110万円 | 
こちらも、建物の売却をともなっているため消費税について記入が必要です。売却金額は、簿価と売却益とに分けて記入します。
建物だけ簿価よりも安く売却
最後に、建物のみ簿価よりも安く、土地は簿価よりも高く売却された場合の仕訳方法を解説します。以下のようなケースを想定しましょう。
| 種類 | 金額 | 
|---|---|
| 土地の簿価 | 1,000万円 | 
| 建物の簿価 | 1,000万円 | 
| 土地の売却額 | 1,200万円 | 
| 建物の売却額 | 900万円 | 
| 仲介手数料 | 69万円(2,100万円×3%+6万円) | 
この場合、仕訳の詳細は以下のようになります。
| 借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 | 
|---|---|---|---|
| 現金 | 2,031万円 | 土地 | 1,000万円 | 
| 仲介手数料 | 69万円 | 固定資産売却益 | 200万円 | 
| 固定資産売却損 | 100万円 | 建物 | 1,000万円 | 
| – | – | 仮受消費税 | 90万円 | 
土地も建物も、簿価は貸方勘定科目へ記入します。土地は売却益が出ているため固定資産売却益を貸方勘定科目へ、売却益の出ていない建物については固定資産売却損を借方勘定科目へ振り分けましょう。
土地売却の仕訳における注意点
土地売却の際、仕訳においてはいくつかの注意点があります。それぞれについて解説します。
目的によって会計処理が変わる
土地売却の目的によって会計処理が変わるため注意しましょう。事業のために土地を売却した場合は、固定資産売却損益勘定で処理します。これに対して、売主が個人事業主だとしても、個人的な理由で売却した場合は「譲渡所得」という扱いになるため、仕訳の必要はありません。
経費に関する領収書が必要になる
土地を売却する際に発生した仲介手数料や登記費用、売却時の測量などの費用を経費として計上したければ、確定申告の際に領収書が必要になります。そのため、土地の売却に関わる領収書は紛失しないように管理することが大切です。
建物と同時売却の場合は消費税を考慮する
土地には消費税が課税されませんが、建物と一緒に売却した場合は建物への消費税が課税される点に注意が必要です。消費税額計算の元となる建物の価格は、全体の金額から土地の価格を差し引いて算出したり、固定資産税評価額を参考に計算したりすることで割り出せます。
まとめ
事業を営んでいる人が、事業の一貫として土地を売却する際は、帳簿のつけ方に注意してください。売却の内容や価格によって帳簿の仕訳方法が違います。売却したものが土地のみなのか、建物も含まれているのかで消費税の有無にも違いが出るため、よく確認しましょう。
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