
「空き家を売却したが、確定申告が必要か分からない」という人もいるのではないでしょうか。
本記事では、空き家を売却した際の確定申告についての情報を知りたい人に向けて、確定申告の要否や手順、必要書類などを解説します。また、空き家を売却した際に利用できる特例についても解説するため、ぜひ参考にしてみてください。
目次
空き家を売却した際は損益にかかわらず確定申告が必要
空き家を売却した際は、売却によって利益もしくは損失が出た場合に確定申告が必要です。ただし、売却利益が出ていない場合や損失が発生した場合の確定申告は、義務ではないとされています。
空き家を売却した際に確定申告をする理由
空き家を売却した際に確定申告が必要な理由について解説します。
空き家の売却で利益が出た|譲渡所得税の納付が必要
空き家の売却で利益が出た場合、売却益に対する譲渡所得税の納付が必要です。売却による利益が出た場合の確定申告は義務であるため、必ず行いましょう。
譲渡所得税は、所得税や住民税に上乗せで課される税金です。空き家売却による所得は、その他の所得と分けて課税されます。
空き家の売却で損失が出た|別の所得と損益通算し節税できる可能性がある
空き家の売却で損失が出た場合は、確定申告の義務はありません。ただし、確定申告することによって、損益通算で節税できるメリットがあります。
損益通算とは、同じ年度の利益と損失を合算する制度です。損益通算することによって、課税される範囲を縮小できます。
空き家を売却した際の確定申告の流れ
空き家を売却した際の確定申告の流れについて解説します。
必要書類をそろえる
まずは、確定申告に必要な書類を集めておきましょう。大半の書類は、税務署や国税庁の公式サイトで取得できます。
書類によっては、紛失すると再発行に手間がかかる書類もあるため、早めに行動することをおすすめします。また、書類を紛失してしまうと、納税額が増える恐れがあるため注意が必要です。
譲渡所得税を計算し申告書類を作成
必要書類をそろえたら、譲渡所得税の計算を行います。譲渡所得税は、空き家の売却額から空き家の売却にかかった費用や特別控除額を引いた額に対し、税率をかけて算出します。
正確な譲渡所得税を計算し、譲渡所得の内訳書や申告書に必要事項を記入しましょう。
必要書類を税務署へ提出
確定申告書を作成したあとは、添付書類とあわせて税務署に提出します。税務署への直接提出や郵送による提出が可能です。マイナンバーカードを取得している人は、納税システムを利用してオンラインで提出することもできます。
提出期間は、毎年2月半ば頃から3月半ば頃です。年度によって期間が多少前後するため、事前に詳細な日程を確認しておきましょう。
空き家を売却した際の確定申告に必要なもの
ここからは、空き家を売却した際の確定申告に必要なものについて解説します。
確定申告書
空き家の売却で必要となる確定申告書は、第一表、第二表、第三表の3種類です。また、譲渡所得の内訳書も必要です。
確定申告書の第一表と第二表は給与所得や事業所所得の申告、第三表は不動産の譲渡所得の申告に使用します。確定申告書や譲渡所得の内訳書の用紙は、税務署や市役所、国税庁の公式サイトで入手可能です。早めに準備しておきましょう。
売買契約書
確定申告には、不動産の取得時と売却時に作成した売買契約書が必要です。空き家の取得費算出、譲渡価額の証明などに使用します。
取得時の売買契約書は、用意できなくても確定申告自体は可能です。しかし、納税額が増える恐れがあるため、できるだけ準備をしておきましょう。
紛失した際は、売り主や仲介業者に連絡して、再発行やコピーしてもらうことができます。
領収書
領収書も、売買契約書と同様に、取得時と売却時のどちらも必要です。不動産の取得と売却の金額を証明するために使用します。不動産の購入額に加えて、仲介手数料や登記費用、譲渡にかかった印紙税、解体費用などを証明できるような書類を用意しておきましょう。
取得費用を証明する領収書に関しては、用意できなくても確定申告はできますが、税金を多く支払わなければならない恐れがあります。
登記事項証明書
登記事項証明書は、空き家の所在地や所有者などが記載された書類です。譲渡所得の特別控除を適用する際に使用します。
登記事項証明書は、法務局の窓口やインターネットから取得できます。登記事項証明書の発行は、1通ごとに費用がかかるため、紛失に注意しましょう。
本人確認書類
確定申告書には、本人確認書類を添付する必要があります。
マイナンバーカードがある場合は、マイナンバーカード以外の本人確認書類は必要ありません。マイナンバーカードがない場合は、マイナンバー確認書類とその他の身元確認書類のコピーを添付しましょう。なお、インターネットから確定申告する場合は、本人確認書類の添付は不要です。
源泉徴収票
給与所得者は、確定申告書に源泉徴収票の内容を記載します。ただし、源泉徴収票は、確定申告の際に提出する必要はありません。
源泉徴収票を紛失した場合は、勤務先に問い合わせることで再発行が可能です。なお、以前の勤め先が倒産している場合でも、破産管財人に依頼することで再発行できます。
空き家を売却した際に利用できる特例3選
空き家を売却した際には、利用できる特例が3つあります。ここでは、空き家を売却した際に利用できる3つの特例について解説します。
居住用財産を譲渡した場合の特別控除特例
譲渡所得税を、最大3,000万円まで控除できる特例です。特例の適用条件は、次のとおりです。
- 空き家となってから3年以内に売却
- 親子や親族間の取引ではない
- 売却以前の2年間で同じ特例を適用していない
- ほかの特例を適用していない
10年超所有の軽減税率の特例
10年以上所有していた空き家を売却する際、譲渡所得税を軽減できる特例です。特例の適用条件は、次のとおりです。
- 所有期間が10年以上
- 親子や親族間の取引ではない
- 空き家となってから3年以内に売却
- 更地にする場合、譲渡契約の締結日まで賃貸業などの用途に使用していない
相続した空き家を譲渡する場合の3,000万円の特別控除
相続した空き家を被相続人の死亡日から3年後の最初の12月末日までに譲渡した場合、3,000万円の控除が受けられる特例です。
特例の適用条件は、次のとおりです。
- 昭和56年5月31日以前に建てられた
- 区分所有建物登記がされていない
- 相続直前に被相続人以外の人が住んでいない
- 相続日から3年以内に売却
- 売却価格が1億円以下
空き家売却時の確定申告に関する注意点
空き家売却の確定申告では、いくつかの注意点があります。注意点を把握しておくことで、後々のトラブル回避に役立ちます。ここでは、空き家売却時の確定申告に関する注意点について解説します。
確定申告を忘れると延滞税を課せられたり脱税を疑われたりする
売却益が出た場合、確定申告をしないとデメリットが発生する恐れがあります。
確定申告をしないことによって、無申告加算税や延滞税が課されるケースがあるため、注意が必要です。また、故意に確定申告しなかった場合には、税務調査をされる恐れがあります。さらに、所得隠しと見なされた場合、重加算税を課される危険性もあるため、注意しましょう。
空き家売却時に利用できる特例と併用できない制度がある
空き家売却時に利用できる特例は、他の制度と併用できない場合があります。特例の特徴を把握したうえで、どの特例が適しているかを判断しましょう。特例のなかには、他の制度と併用できる特例もあるため、よりメリットが大きくなる方法を選ぶことが重要です。
まとめ
空き家の売却では、損益に関わらず確定申告が必要です。損失が出た場合に関しては、確定申告は義務ではありません。ただし、節税のメリットがあるため、確定申告をしておくことをおすすめします。
また、売却に際して利用できる特例があり、それぞれ特徴や条件が異なります。複雑な条件がある特例もあるため、適用できるか不安な人は、専門的な知識を持つプロへ相談しましょう。
ハウスドゥは不動産売買仲介専門フランチャイズのなかでも店舗数1位を誇ります。また、全国ネットワークによる宣伝力と不動産のプロによる対応力を活かし、売買を検討している人のニーズに対応した提案を行っています。無料で査定依頼ができますのでぜひ一度10秒査定をお試しください。
で不動産査定! AI
AIがお持ちの不動産の市場相場を診断