
マンションの売却をする際には、仲介手数料の目安や計算方法についてあらかじめ押さえておきましょう。仲介手数料について概要を掴んでおけば、取引を進める際に迷うことも少なくなります。この記事では、仲介手数料の計算方法や上限額の目安について解説します。マンションの売却を検討している人は参考にしてください。
目次
マンション売却時に支払う仲介手数料とは
マンション売却時に支払う仲介手数料とは、仲介している不動産会社に支払う手数料を指します。マンションの売却にあたり、不動産会社はさまざまな手続きを行ってくれます。スムーズに不動産売却をするうえで、仲介手数料は必要な費用です。
仲介手数料は「約定報酬」「媒介報酬」「媒介手数料」とも呼ばれます。
支払いのタイミング
仲介手数料の支払いが発生するのは、売買契約が成立したときです。
より具体的な支払いのタイミングは、売買契約時に50%の支払い、引き渡し時に50%の支払いが一般的です。ただし、不動産会社によっては、物件の引渡し時に仲介手数料の全額支払いを求められる場合もあります。
仲介手数料の支払いタイミングは、あらかじめ不動産会社に確認しておきましょう。
マンション売却時に支払う仲介手数料の計算方法
ここでは、マンション売却時に支払う仲介手数料の計算方法について解説します。
手数料の上限は法律で決められている
仲介手数料は、宅地建物取引業法によって上限額が定められています。上限額を超える仲介手数料の請求はできないため、法外な仲介手数料を求められても支払う必要はありません。
仲介手数料の求め方は、下記のとおりです。
不動産の取引額 | 仲介手数料の上限 |
---|---|
200万円以下 | 取引額×5%+消費税 |
200万円超から400万円以下 | 取引額×4%+2万円+消費税 |
400万円超 | 取引額×3%+6万円+消費税 |
「+6万円」「+2万円」の理由
取引額200万円超から400万円以下、400万円超で発生する「+6万円」「+2万円」は、速算式と呼ばれる計算方法です。これは金額を算出する際に用いる数値であり、手続きを簡略化するために使われます。
速算式を使わずに仲介手数料を計算する場合は「200万円以下の部分で発生する仲介手数料」「200万円超〜400万円以下の部分で発生する仲介手数料」など、取引額を細分化して手数料を求めなければなりません。「+6万円」「+2万円」は、この計算を省略し、調整するための値です。
速算式を使う使わないに関わらず、算出される総額に差額は生まれません。
消費税もかかる
仲介手数料には、消費税も発生します。仲介手数料にかかる消費税は、算出した仲介手数料に10%をかけて算出されます。
売買価格が1,000万円の建物の場合、消費税を含めた計算式の例は下記のとおりです。
(1,000万円 × 3% + 6万円) = 36万円
3万6,000円 × 10% = 39万6,000円
仲介手数料上限額の目安
マンションを売却する際に仲介手数料が気になる際には、上限額の目安をある程度把握しておきましょう。具体的な金額は、下記表のとおりです。
マンションの売却価格 | 仲介手数料(消費税抜き) | 仲介手数料(消費税込み) |
---|---|---|
1,000万円 | 36万円 | 39万6,000円 |
2,000万円 | 66万円 | 72万6,000円 |
3,000万円 | 96万円 | 105万6,000円 |
4,000万円 | 126万円 | 138万6,000円 |
5,000万円 | 156万円 | 171万6,000円 |
1億円 | 306万円 | 333万6,000円 |
仲介手数料以外にマンション売却時に発生する費用
ここでは、仲介手数料以外にマンション売却時に発生する費用について解説します。
印紙税
印紙税とは、課税文書と呼ばれる書面に収入印紙を貼り付け、消印をして納税する税金です。
印紙税の契約金額別の価格は、下記表のとおりです。2024年3月31日までに作成された契約書には、軽減税額が適用されます。
契約金額 | 印紙税 | 軽減税額 |
---|---|---|
500万円超~1,000万円以下 | 1万円 | 5,000円 |
1,000万円超~5,000万円以下 | 2万円 | 1万円 |
5,000万円超~1億円以下 | 6万円 | 3万円 |
1億円超~5億円以下 | 10万円 | 6万円 |
5億円超~10億円以下 | 20万円 | 16万円 |
抵当権抹消登記費用
マンション売却時に発生する費用の1つは、抵当権抹消登記費用です。住宅ローンが残っているマンションを売る場合には、抵当権を抹消する手続きをしなければなりません。
抵当権抹消の登録免許税は、不動産1つにつき1,000円です。手続きを司法書士に依頼する場合は、司法書士手数料も追加でかかります。
ローンを一括返済するための費用
マンションのローンを一括返済する際には、金融機関に対してお金を支払わなければなりません。具体的な金額は金融機関によって異なりますが、5,500円~3万円程度を目安にしておくとよいでしょう。
各種証明書類
マンション売却時は、印鑑証明書や住民票などの書類が必要です。必要な書類は、下記のとおりです。
書類名 | 概要 | 費用 |
---|---|---|
印鑑証明書 | 持っている印鑑が実印であることを証明するために必要 | 200円~400円程度 |
住民票 | 住所変更登記などを行うために必要 | 200円~300円程度 |
固定資産税証明書 | 売主から買主に名義変更の手続きをするために必要 | 200円~400円程度 |
上記書類の発行手数料は、自治体により異なります。
譲渡所得税
マンションを売却して譲渡所得がプラスとなった場合、その利益に対して譲渡所得税が課されます。この税率は、物件を所有していた期間によって異なります。具体的な税率は、下記のとおりです。
・所有期間5年以下:譲渡所得の39.63%
・所有期間5年超:譲渡所得の20.315%
税金の計算には、さまざまな控除が適用される場合があります。例えば、自宅を売却する場合、一定の条件下で3,000万円の特別控除が適用されます。
その他の費用
マンション売却時には、ハウスクリーニング費用や引っ越し費用が発生します。具体的な金額は、下記のとおりです。
費目 | 概要 | 費用 |
---|---|---|
ハウスクリーニング費用 | マンションを清掃してもらうための費用 | 5~10万円程度 |
引っ越し費用 | マンション売却にあたって、家財を移動するための費用 | 3万円~40万円※時期や荷物の量、距離によって異なる |
マンション売却時に返金される費用
マンション売却時には、固定資産税・都市計画税の精算金や管理費・修繕積立金の精算金が返金されます。返金されるお金の種類は、下記のとおりです。
・固定資産税・都市計画税の精算金:年の途中でマンション売却した際は、残りの期間分の額が返金される
・管理費・修繕積立金の精算金:売主が引渡し日以降の分を支払っている場合には、買い主より日割り計算にて返金される
・ローン保証料:マンション購入時に一括で支払いをしていれば、残年数に応じた額が返金される
・火災保険料の返礼金:マンション購入時に一括で支払いをしていれば、残年数に応じた額が返金される
仲介手数料に関する注意点
ここでは、仲介手数料に関する注意点について解説します。
手数料無料や半額に注意する
不動産会社のなかには、手数料無料や半額サービスを提供する不動産会社もあります。仲介手数料は上限額以下であれば、いくらに設定しても問題ありません。ただし、事実上は、上限額が相場になっています。
不動産会社は上限以下であれば自由に手数料を設定できますが、手数料を大幅に減らすことは、不動産会社の収益に直結します。業者によっては、極端な値引きがサービスの質に影響を与える恐れもあるでしょう。
値引き交渉は慎重に進める
値引き交渉をする場合は、できるだけ不動産会社選びの段階で進めるよう注意しましょう。売買契約後の値引き交渉は、応じてもらえない可能性が高い傾向です。
また、値引き交渉をすることによって、担当者の意欲が低下する、後回しにされるなどのリスクが発生してしまうかもしれません。
まとめ
マンションの売却を進める際には、仲介手数料の目安についてあらかじめ把握しておきましょう。目安の金額が事前にわかっていれば、取引がさらにスムーズに進みます。
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