
使わない空き家を所有し続けていると、さまざまな問題につながる恐れがあります。しかし、空き家を売却すれば、現金化が可能です。この記事では、空き家を売却するメリットや具体的な売却方法などを解説します。空き家を売却する際にかかる費用や税金などについてもまとめているため、ぜひ参考にしてください。
目次
空き家は早めに売却したほうがよい理由
空き家を保有しているなら早めの売却をおすすめします。ここでは、その理由を解説します。
維持管理費がかかる
空き家を所有している場合、エリアにもよりますが、一般的には、維持管理費が年間で約35万〜50万円程度かかります。
項目 | 金額(円) |
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固定資産税・都市計画税 | 約10~15万/年 |
都市計画税 | 約4~5万/年 |
管理費・修繕費 | 10万円~/年 |
保険料(火災・地震) | 約15~18万/年 |
水道費・光熱費 | 約2~4万/年 |
固定資産税を毎年負担する必要があります。また、建物の資産価値を保つためには、定期的なメンテナンスも必要です。建物の状況によっては、高額な費用がかかる可能性もあります。
トラブルの原因になる可能性がある
空き家の管理をせずに放置してしまうと、さまざまなトラブルの原因になります。
トラブルの種類 | 主な原因 |
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保安上の危険 |
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衛生面の問題 |
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景観の悪化 |
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防犯上の問題 |
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たとえば、倒壊により誰かがケガをしたり、事故、事件、不法投棄などの現場になったりする恐れもあります。いつの間にか害虫や害獣が住みつき、近隣住民から苦情が寄せられるかもしれません。
固定資産税が最大6倍になる
問題がある空き家に対しては、空き家等対策の推進に関する特別措置法に基づく改善の命令が出されます。倒壊の恐れがある空き家や著しく不衛生な空き家などが対象です。命令に違反すると過料の対象になるため、注意しましょう。また、改善が行われるまでは固定資産税の優遇措置を受けられなくなり、固定資産税が最大6倍になる可能性もあります。
高く売却できる空き家とは
空き家を高く売却するには条件があります。ここでは、空き家の売却相場と高く売却できる条件を解説します。
空き家の売却相場
不動産の売却価格の決め方はさまざまであり、空き家の売却相場は一概にはいえません。たとえば、不動産市場価格、家屋の購入価格、築年数、原価法など、さまざまな根拠をもとに売却価格が決定されています。
高く売却できる条件
空き家を高く売却するには、改修や修繕などのメンテナンスが必要です。美観にもこだわり、よい印象を与えなければなりません。また、物件に近いエリアの不動産会社のうち、空き家の売却が得意なことの見極めが大切です。
空き家を売却する5つの方法
空き家を売却するには、さまざまな方法があります。以下で具体的な方法を解説します。
不動産仲介業者を利用する
空き家を売却する方法としては、不動産仲介会社の利用が特に一般的です。手数料がかかりますが、不動産の売買の専門家であるため、手厚く効果的なサポートを受けられます。
買取業者に直接買い取ってもらう
空き家を手間なくスピーディに売却したいなら、買取業者に直接売却する方法もあります。ただし、売却価格が市場価格よりも低くなる可能性があるため、なるべく高く売却したい場合は注意が必要です。
空き家バンクを利用する
自治体によっては空き家バンクを運営しており、空き家を求める人に情報提供しているケースもあります。空き家バンクを活用すれば、都市部から離れている地域でもより多くの人に物件の情報を周知できます。
不動産オークションを利用する
インターネット上の不動産オークションを活用すると、空き家を売却する相手を個人的に探すことも可能です。空き家の購入を希望する人がいる場合、入札が行われます。
自身で売却する
自分の人脈を活かして空き家を売却する相手を探す人もいます。知り合いに購入を打診するだけでなく、インターネットを活用して購入希望者を募る方法もあります。個人同士の売買となるため、交渉や法的手続きについての知識も必要です。
空き家の売却パターン1:そのままの状態
空き家は築年数によって2パターンの売却方法があります。そのままの状態で売却する方法と解体して更地にしてから売却する方法です。そのままの状態で売却すれば自己負担を抑えられるため、以下で詳しく解説します。
築20年以内なら「中古住宅」
築20年以内なら居住も十分可能であり、中古住宅として販売できます。土地はもちろん、建物にも価値をつけて販売できるため、比較的高く売れる可能性があります。
築20年以上経過しているなら「古家」
築20年以上が経過している空き家は、古家付きの土地として販売するのも1つの方法です。事前に解体する場合よりも、売れるまでの間に発生する税金を抑えられるというメリットがあります。
空き家の売却パターン2:解体して更地
かなり古い空き家で劣化が激しいなら、建物を解体して更地にしたうえで売却しましょう。劣化した空き家が付いているよりも、土地だけで販売したほうが購入希望者は現れやすいです。ただし、解体してから売却するには、解体作業や整地のための費用を支払う必要があります。
空き家を売却する流れ
ここでは、不動産仲介会社を利用して空き家を売却する流れを解説します。
相談
空き家の売却について、不動産会社に相談しましょう。売却に関する漠然とした不安や疑問がある場合は、事前に整理して担当者へ質問するとよいです。具体的な売却方法についても提案してもらえる可能性があります。
査定
不動産会社が基礎的な調査を行い、売却価格について査定します。査定の結果に基づいて売却価格が提示されるため、よく確認しましょう。複数の不動産仲介会社に査定を依頼して比較することもおすすめです。
媒介契約
信頼して依頼できる不動産仲介会社を見極めたら、媒介契約を締結しましょう。契約後は、査定の結果を参考にして最初の売り出し価格を決定します。
販売活動・買主との交渉
販促活動は、基本的に不動産仲介会社が行います。購入希望者が見つかったら、担当者と相談しながら交渉を進めます。判断に迷う部分があれば、担当者からのアドバイスも参考にしましょう。
不動産売買契約
交渉がまとまったら、不動産売買契約を締結します。売却価格や条件などをよく確認したうえで手続きを進めましょう。この時点で仲介手数料の支払いが発生しますが、売主は買主から手付金を受け取れます。
引き渡し・各種手続き
物件の引き渡しに必要な書類をそろえ、法的手続きを進めます。売却にかかる各種費用の支払いも必要です。買主から購入代金を受け取ったら、実際に物件の引き渡しを行います。
空き家の売却に伴う費用と税金
空き家を売却する場合、さまざまな費用や税金がかかります。以下で詳しく解説します。
売却にかかる主な費用
空き家の売却には、以下の費用がかかります。
- 解体費用
- 仲介手数料
- 相続登記費用
解体費用は、売却に伴って空き家を解体する場合に必要です。物件の状況によって異なりますが、100万円以上かかる可能性もあります。仲介手数料は、不動産仲介会社に支払う費用です。仲介手数料の上限は、400万以下の部分については18万円以内、400万超の部分については3%と定められています。また、相続した空き家の名義変更が済んでいない場合は、相続登記費用もかかります。
売却に伴う主な税金
空き家を売却すれば、以下の税金が発生します。
- 譲渡所得税
- 印紙税
譲渡所得税は、売却益が出た場合に納税が必要です。空き家を所有している期間によって税率が異なるため、よく確認しましょう。また、印紙税は課税文書に対して課される税金です。印紙税の額は、契約金額に応じて決まります。必要な金額分の印紙を購入して契約書に貼り付けてください。
空き家の売却にかかる費用を抑える特例・控除・補助金
空き家を売却する場合、費用を抑えるために特例・控除・補助金を利用できる可能性があります。以下で詳しく解説します。
節約術や補助金
空き家の状態がよければ、リフォームせずに売却した方が節約になります。また、空き家に不用品が残っている場合、業者に任せるのではなく自分で処分すれば余計な費用の発生を抑えられます。なお、空き家を解体するための費用に対する補助金や助成金を用意している自治体も多いです。利用できる制度があれば、忘れずに申請しましょう。
税金を抑えられる特例・控除
空き家について税金を抑えられる特例や控除もあるため、条件を確認して利用しましょう。たとえば、相続した空き家を売却した場合、3,000万円特別控除を受けられます。一定の条件を満たしていれば、空き家の売却益による譲渡所得から3,000万円までを差し引けるため、税金が大幅に免除されます。
また、相続した空き家の取得費加算の特例では、相続した空き家の売却について譲渡所得を計算する際に、相続税の一部を取得費に加算することが可能です。10年以上所有していた空き家を売却した場合は、10年超所有軽減税率の特例も受けられます。
空き家の売却に必要な書類
空き家を売却する際は、以下の書類が必要です。
- 本人確認書類
- 実印・印鑑証明書
- 登記済証(権利証)または登記識別情報
- 確定測量図・境界確認書
状況によっては、他の資料も必要になる可能性があります。念のため、手続きの際に不動産仲介会社に確認すると安心です。
空き家を売却するときの注意点
空き家の売却時は気をつけたいこともあります。具体的な注意点について解説します。
空き家の名義人を確認する
物件を売却するには、自分の名義である必要があります。空き家を相続して放置している場合、名義変更が行われていない可能性もあるため、注意が必要です。売却前に忘れずに名義変更の手続きを行いましょう。
空き家の状態を確認する
普段使用していない空き家を売却する際は、事前に状態をよく確認しておきましょう。売却してから欠陥が発覚すれば、買主との間に大きなトラブルが発生するリスクがあります。事前の確認で問題が見つかった場合は、売却前に修繕するかどうかについても検討が必要です。修繕にかかる費用と売却のしやすさも考慮して最終的な判断をしてください。
まとめ
空き家をそのまま保有していると固定資産税が発生し続けるうえに、さまざまなトラブルの原因にもなり得ます。不動産仲介会社に相談すればスムーズな売却を目指せるため、不要な空き家がある場合は早めに準備を始めましょう。
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