マンションを売却して新居を購入すれば、より快適な住まいを手に入れられる可能性があります。この記事では、マンションの売却によって住み替える場合の「売り先行」と「買い先行」の流れや、それぞれのメリット・デメリットを解説します。
住み替えにかかる費用、不動産仲介会社を選ぶ流れ、マンションをスムーズに売却するポイントなどもまとめているため、ぜひ参考にしてください。
目次
マンション売却で住み替える流れは2種類
住み替えは、現在の住居売却と新居の購入タイミングを合わせられると理想的ですが、実際には必ずしも時期がそろうとは限りません。基本的に、「売り先行」と「買い先行」のいずれかになります。ここでは、それぞれの流れについて解説します。
「売り先行」で住み替える流れ
「売り先行」でマンションの住み替えをする際の流れは、以下の通りです。
1.査定を受ける
2.売り出し価格が決まる
3.媒介契約を締結する
4.売却活動を行う
5.新しく購入する物件を検討し始める
6.売却について売買契約を締結する
7.売却する物件を引き渡す
8.購入について売買契約を締結する
9.購入する物件の引き渡しを受ける
「買い先行」で住み替える流れ
「買い先行」でマンションの住み替えをする際の流れは、以下の通りです。
1.新しく購入する物件を検討し始める
2.購入について売買契約を締結する
3.購入する物件の引き渡しを受ける
4.査定を受ける
5.売り出し価格が決まる
6.媒介契約を締結する
7.売却活動を行う
8.売却について売買契約を締結する
9.売却する物件を引き渡す
「売り先行」でマンション売却して住み替えるメリット・デメリット
「売り先行」でマンション売却をして住み替える際は、メリット・デメリットの両方を検討する必要があります。
「売り先行」で住み替えるメリット
マンション売却の住み替えにおいては、「売り先行」が主流です。住んでいるマンションを売却すればその代金を獲得でき、新しいマンションを購入するための資金にあてられるからです。売却してから新しい物件を探し始めると、計画的な購入を実現しやすくなります。資金に余裕がある状態で新しいマンションを選択できるため、最大限の予算内で希望に合う物件を購入できます。
「売り先行」で住み替えるデメリット
「売り先行」では、次の住居を購入する前に売却しなければならず、住みながら売却活動をします。内覧の希望があれば、自分たちが生活している空間を他人に公開する必要があります。
また、住んでいるマンションの売却後に新しいマンションを購入するため、新しい住まいを用意できるまでは仮住まいが必要です。売却のタイミング次第では、資金繰りが厳しくなる恐れもあります。
「買い先行」でマンション売却して住み替えるメリット・デメリット
「買い先行」でマンション売却をして住み替える場合も、メリット・デメリットの両方があります。
「買い先行」で住み替えるメリット
新しいマンションに引っ越してから空き家の状態で売却活動をするため、スムーズに売却できる可能性が高いです。「売り先行」のように、生活している部屋の様子を他人に見せる必要はありません。
また、売却活動を開始する時点で新居を確保しており、仮住まいは不要です。何度も引っ越しをする手間もかかりません。さらに、先に新居探しに取り組むため、希望に合う物件についてじっくり考えられます。
「買い先行」で住み替えるデメリット
まだ住宅ローンの返済が残っているマンションを売却する場合、「買い先行」にすると二重ローンが発生する可能性があります。
新しいマンションのローンを組んで返済が始まったのに、保有しているマンションが売れない状況になると、2つのローンを借りている状況が続きます。負担が大きくなるため注意が必要です。また、予想よりも売却価格が低いと、新居のローンの返済が厳しくなる恐れもあります。
マンションを売却して住み替える際にかかる費用
マンション売却により住み替えをする際は、以下で解説する各種費用の目安に注目しましょう。
マンション売却時にかかる費用の目安
マンション売却にかかる費用の種類と金額の目安をまとめると、以下のとおりです。ただし、金額はあくまでも目安であり、実際の状況によって大きく変化する可能性もあります。
費用の種類 | 費用の目安 |
---|---|
仲介手数料 | ・200万円以下:売買金額の5% ・200万円超400万円以下:売買金額の4%+2万円 ・400万円超:売買金額の3%+6万円 |
登録免許税 | 1,000円 |
印紙税 | ・1,000万円超5,000万円以下:1万円 ・5,000万円超1億円以下:3万円 |
司法書士費用 | 1万5,000円〜3万円程度 |
繰上返済の手数料 | 5,000円〜2万円程度 |
引っ越し代 | 15万円〜20万円程度 |
新居購入にかかる費用の目安
住み替えのための新居の購入にかかる費用の種類と金額の目安をまとめると、以下のとおりです。実際の金額は、購入するマンションの面積や住宅ローンの契約内容などによっても異なります。
費用の種類 | 費用の目安 |
---|---|
仲介手数料 | ・200万円以下:売買金額の5% ・200万円超400万円以下:売買金額の4%+2万円 ・400万円超:売買金額の3%+6万円 |
登録免許税 | 固定資産税評価額×税率 |
印紙税 | ・1,000万円超5,000万円以下:1万円 ・5,000万円超1億円以下:3万円 |
司法書士費用 | 10万円程度 |
不動産取得税 | 固定資産税評価額×税率 |
住宅ローン事務手数料 | 10万円程度 |
住宅ローン保証料 | 70万円程度 |
火災保険料 | 3万円程度 |
マンション売却を依頼する不動産仲介会社を選ぶ流れ
マンション売却について不動産仲介会社に依頼する場合、どのような流れになるのでしょうか。
一括査定で不動産会社を絞り込む
依頼する不動産会社について具体的に定まっていない場合は、一括見積りサイトで各社の売却価格を簡易的に査定してもらいましょう。複数の不動産会社の査定額をまとめて把握できるため、効率的に絞り込めます。結果を比較し、特によい条件を提示しているところを依頼先の候補として検討しましょう。
不動産仲介会社に訪問査定を依頼する
絞り込んだ不動産仲介会社と連絡をとり、訪問査定を依頼します。訪問査定を受けると、正確な調査により具体的な売却金額を決定できます。マンション売却についての不明点や悩みがある場合、訪問査定の際に確認すると安心して手続きを進められるでしょう。
マンション売却の媒介契約を結ぶ
媒介契約とは、不動産仲介会社に不動産の買い手を見つけてもらうための契約です。媒介契約には一般媒介、専任媒介、専属専任媒介の3種類があります。
一般媒介は、複数の不動産仲介会社との契約が可能です。専任媒介は1社と専属の契約を交わしますが、自分で見つけた相手へ売却してもかまいません。専属専任媒介も1社と専属の契約を交わし、基本的には必ずその不動産仲介会社を介して売却する必要があります。専属専任媒介は制限が多いものの、手厚いサポートを受けられます。
マンション売却を成立させるためのポイント
マンション売却を成功させるために、意識したいポイントを解説します。
マンションをきれいな状態にしておく
「売り先行」でマンション売却を目指すなら、マンションをきれいな状態にしておきましょう。内覧の希望が入った場合、きれいな状態だと印象がよくなるからです。荷物を減らし、隅々まで掃除しておく必要があります。
すべてをオープンにする
内覧の際は、すべてをオープンにすることも重要です。見せられない場所がある場合、不信感により購入を躊躇される可能性が高くなります。また、購入希望者が気兼ねなく見学できるようにするため、内覧時はあえて外出するという方法もあります。
ハウスクリーニングやホームステージングを検討する
必要に応じてハウスクリーニングやホームステージングなども検討しましょう。ホームステージングとは、空いている物件に家具や家電を配置して住まいのイメージを表現する方法です。ただし、かけた費用を回収できない可能性もあるため、不動産仲介会社と相談しながら検討してください。
マンション売却で住み替える際のよくある質問
マンション売却による住み替えについて、よくある質問とそれに対する回答をまとめて解説します。
売却までの期間はどれくらいですか?
マンション売却にかかる期間については、余裕をもって6か月程度を見込んでおきましょう。不動産仲介会社を探す時間も含めて考えると、7か月前からの準備をおすすめします。
現住居のローンが残っている場合はどうすればよいですか?
今住んでいるマンションの住宅ローンが残っているなら、「売り先行」で得た売却代金で一括返済する方法が基本です。新しいマンションの購入時期が早まった場合は「つなぎ融資」の利用を検討しましょう。つなぎ融資とは、一時的な資金不足を補うためのローンのことです。
マンション売却で住み替えるときにできる節税対策はありますか?
マンションの売却においては、節税につながる制度を利用できる可能性があります。具体的な制度の種類や概要は以下のとおりです。
制度 | 概要 |
譲渡所得の特別控除 | 売却益について特別控除を適用できる |
譲渡損失の損益通算および繰越控除 | 売却による損失をその年の所得から差し引ける |
住宅ローン減税 | 住宅ローンの残高または住宅の取得対価に対し、所得税について控除を受けられる |
損益通算及び繰越控除の特例 | 損益通算により所得税の還付を受けられる |
マンション売却で住み替えるのに適したタイミングはありますか?
住宅ローン控除を考慮すれば、購入から10年以降が住み替えに適しています。マンションは修繕積立金が増額される可能性もあるため、売却するならその前のタイミングを意識することも重要です。
まとめ
マンション売却による住み替えは、「売り先行」と「買い先行」の2パターンがあります。売り先行が一般的ですが、それぞれメリット・デメリットがあるため、状況に応じて最適な方を選択しましょう。
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