マンションを売却する際、入金のタイミングが分からない人は多いかもしれません。マンションの売却には数か月程度の時間を要し、契約成立に伴い多額のお金が動きます。入金されるタイミングを知っておいた方が、スムーズに資金計画を立てられるでしょう。
本記事では、マンションの売却代金が入金されるタイミングについて詳しく解説しています。不動産会社に支払う仲介料や課税譲渡所得にかかる所得税など、売却により支払うお金についても紹介するため、参考にしてください。
目次
マンションを売却した際の入金はいつ頃?
マンションの売却代金が入金されるタイミングは、売買契約時と物件引き渡し時の2回です。売買契約時には手付金を受け取り、残金は引き渡し時に受け取ります。また多くの場合、入金される2回のタイミングで、売主は不動産会社に対して仲介料を支払います。
この段落では、売買契約時と物件引き渡し時の入金について、受け取れる額や不動産会社に支払う仲介料を解説します。売却が決まると数千万円にものぼる大きなお金が入ってくるので、入金の詳細を把握し慎重に資金計画を立てましょう。
1.売買契約時
売買契約時には、買主から手付金が支払われます。手付金はマンション売却代金の5~10%程度が相場です。たとえば、6,000万円でマンションを売却するとしましょう。手付金は300万~600万円程度となります。
また、手付金が入金されたタイミングで、不動産会社に仲介料の半額を支払わなくてはいけません。仲介料の上限は宅地建物取引業法で決められており、上限を超えない金額が設定されます。
※参考:不動産流通について|国土交通省
2.引き渡し時
引き渡し時には、手付金を除く売却代金が支払われます。たとえば、6,000万円のマンションを売却するとき、手付金として300万円を受け取っていれば、引き渡し時に残りの5,700万円を受け取ります。残金の受け取りを確認できたら、マンションの所有権を買主に移転する手続きに移りましょう。なお、売買契約時と同じく、引き渡し時にも仲介料の半額を不動産会社に支払います。
マンションの売却で入金されるお金
前述のとおり、マンション売却の際は、売買契約時と引き渡し時の2回に分けて売却代金が入金されます。入金されるお金は、それぞれ手付金と残金と呼ばれます。一括で売却代金が支払われるわけではないため、お金の使い道が決まっている場合は注意してください。
マンションの売却で支払いが発生するのは?
マンションや土地といった不動産の売却で得たお金には、課税譲渡所得として所得税がかかります。課税譲渡所得とは、売却代金から購入と譲渡にかかったお金を差し引いた金額のことです。売却代金が購入額よりも大きい場合には税金が発生し、収益に応じて税金の支払いが必要です。
節税するためには、「マイホームを売ったときの特例」や「特定のマイホームを買い換えたときの特例」などを受けられるか検討しましょう。たとえば、マイホームを売ったときの特例を使うと、課税譲渡所得から3,000万円分が控除されます。
※参考:No.3302 マイホームを売ったときの特例|国税庁
※参考:No.3355 特定のマイホームを買い換えたときの特例|国税庁
マンション売却にかかる期間
マンションの売却には通常、3~6か月程度かかります。公益財団法人東日本不動産流通機構によると、中古マンションを売り出してから売買契約を結ぶまでの平均期間は、71.4日程度(2か月半程度)と報告されています。
ただし、売り出すまでには、不動産会社の選定に1か月程度必要です。契約手続きや引き渡しにも、1か月程度かかる見込みです。マンション売却にかかる期間をトータルで見ると、早ければ3か月程度、長ければ6か月程度となります。
なお、売却にかかる期間が延びるほど、当然ながら売却代金が入金されるまで時間がかかります。スムーズに売却代金を得られるように、効率よく動きましょう。
※参考:首都圏不動産流通市場の動向(2022年)|公益財団法人東日本不動産流通機構
戸建てよりもマンションの方が売却期間は短い
ほかの不動産と比較して、マンションの売却は迅速に進む傾向が見られます。前述の公益財団法人東日本不動産流通機構によると、中古戸建住宅を売り出してから売買契約を結ぶまでの平均期間は、81.2日程度でした。
ただし、建てられてから結構な年月が経過している物件や、立地が悪い物件などは、マンションといえどもなかなか売却できない場合もあります。
※参考:首都圏不動産流通市場の動向(2022年)|公益財団法人東日本不動産流通機構
マンションを売却するまでの流れ
マンションを売却する流れは、以下のとおりです。
1.事前準備
2.査定を受ける
3.媒介契約を結ぶ
4.売り出し開始
5.売買契約を結ぶ(手付金が入金される)
6.引き渡し(残りの売却金が入金される)
7.確定申告
事前準備では、査定に必要な書類を用意します。査定は複数の不動産会社に依頼し、査定額や実績、担当者との相性などを考慮して媒介契約を結ぶところを決めます。
専任媒介契約や専属専任媒介契約を結ぶと、ほかの不動産会社とは一切契約できません。ただし、手厚いサポートが期待できます。一方、一般媒介契約の場合は複数の不動産会社と契約できる反面、各会社とやり取りする手間は増えます。
不動産会社と相談しつつ売り出し価格を決め、物件をクリーニングしてから売り出しを開始しましょう。課税譲渡所得に対して所得税がかかるので、確定申告して相当する所得税を納めてください。
マンション売却のお金の流れに関する注意点
マンション売却に関連するお金について、手付金や不動産仲介料に関する注意点を解説します。
1.手付金は引き渡しまで使わない
売買契約時に受け取る手付金は引き渡し日まで利用せず、慎重に管理してください。手付金は売却代金の一部であり、支払われたお金は売主の所有物となります。
しかし、不動産取引では契約解除の可能性があります。仮に売主の都合で契約後にマンションの売却をやめるときは、買主に手付金の2倍の額を支払わなくてはなりません。万一を考えて、手付金は売却が完了するまで保管しておきましょう。
2.手付金の設定は高めに設定しておく
手付金は売主が自由に設定できますが、ある程度高額にしておくことをおすすめします。手付金が高ければ契約解除による経済的ハードルが高いため、買主都合のキャンセルを防げます。一方、手付金が安いと契約解除のリスクが増え、引き渡しまで時間がかかるかもしれません。
ただし、相場を大きく上回る手付金を設定すると、解除の困難さから契約が決まらない恐れもあるため注意しましょう。
3.2回目の入金は時間がかかる傾向にある
マンションの売却代金から手付金を差し引いた残額の支払いは、引き渡し時に行われます。ただし、引き渡しまでに時間がかかるケースも少なくありません。また、引き渡しが遅れるほど入金のタイミングも遅れてしまいます。引き渡しが遅れる主な理由を、以下に示しました。
・売主・買主のスケジュールを合わせにくく、引き渡し日を決めにくい
・買主の書類の不備により、金融機関の審査が長引く
・マンションの規約や設備などが売買契約と異なることで、買主とトラブルになる
4.不動産仲介料は2回に分けて支払う
前述のとおり、不動産仲介料は、不動産業界の慣習に従い通常2回に分けて支払います。仲介料とは、売買契約の成立をもって発生する費用のことです。仲介料の支払いを2回に分ける理由は、引き渡しまで不動産会社に尽力してもらうためです。
ただし、2回に分ける支払方法は、法律で決められている訳ではありません。手付金が入金された際に、仲介料を全額請求される場合もあると理解しておきましょう。
まとめ
マンションの売却代金は、契約締結時と引き渡し時の2回に分けて支払われます。マンションの売却には、3~6か月程度かかります。スムーズに売却できるように、基本的な流れを押さえて効率よく動きましょう。
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