相続した土地を売るタイミングはいつ?発生する税金の種類や注意点についても解説

土地を相続したものの、いつ売ればよいのかタイミングに悩んでいる人は多いのではないでしょうか。この記事では、すぐに売るメリットや売却時に発生する税金の種類、売却の手順も含め、相続した土地を売るタイミングについて解説するので参考にしてください。

相続した土地を売るタイミングとは

相続した土地を売る最適なタイミングは、土地活用の予定、かかる税金の種類などの状況で違ってきます。相続した土地は早く売却することで受けられる控除があったり、固定資産税の負担が減少されたりします。経済的に余裕があるのならば、市場の様子を見て高く売却できるタイミングを待つのも選択肢の1つです。

相続した土地をすぐ売る場合

すぐに売ったほうがよいケースは4つあり、その1つは相続税の納税資金がない場合です。相続税は、相続開始を知った翌日から10か月以内に申告・納税する必要があるため、売却して現金化することで納税資金に充てられます。すでに相続税を納めている場合は、後述する取得費加算の特例を利用しての節税が可能です。

所有しているだけで維持費や固定資産税が発生することを考えると、活用する予定がないなら早めに売却した方が負担は減らせるでしょう。相続人が複数いる場合は公平な分割が難しく、二次相続や三次相続が発生して共有者が増える懸念もあるため、すぐに売ったほうが後々のトラブルを防げます。

相続した土地をすぐ売らない場合

すぐに売らなくてもよいケースとして、納税する資金が十分にある、問題なく遺産分割ができる、土地活用の予定があるという3つのケースが考えられます。納税資金がある場合や遺産分割で問題がない場合は、必ずしも慌てて売る必要はありません。

受け継いだ土地を相続人の自宅として利用したり、土地活用で収入を得たりなど、売らずに活用することを考える選択肢もあります。

相続した土地をすぐ売ると得られるメリット

相続した土地をすぐに売る場合、どのようなメリットがあるのか具体的に見ていきましょう。

固定資産税の負担が軽くなる

土地はたとえ全く活用していなくても、所有しているだけで毎年固定資産税がかかってきます。固定資産税の評価額は3年に一度見直され、エリアによっては高くなるケースもあります。将来的に固定資産税の納税が負担になってくるようなら、すぐに売るほうが賢明でしょう。

取得費加算の特例を活用できる

取得費加算の特例とは、譲渡所得の計算をする際、費用に相続税を加算できる特例です。土地を売却したときにかかる譲渡所得税は、売却価格から土地の取得にかかった費用や、売却時の各種費用を差し引いた譲渡所得に対して課されます。

特例を活用して相続税を費用に含めることで譲渡所得が抑えられるため、譲渡所得税も軽減できる可能性があります。ただし、活用できるのは相続税の申告期限の翌日から3年以内です。

空き家の3,000万円特別控除を活用できる

相続した土地に建物が建っている場合、空き家であれば3,000万円までの控除が受けられる可能性があります。親などの被相続人が居住していた物件、かつ1981年5月31日以前に建築された建物であるなど、要件を満たしていれば譲渡所得の金額から最高3,000万円までの控除が可能です。

相続した土地を売却したタイミングで課せられる5つの税金

相続した土地を売却したタイミングで課せられる税金は以下の5つです。

譲渡所得税

譲渡所得税は、土地を売却して得た利益に対してかかる税金です。税率は土地の所有期間によって異なり、被相続人が土地を得てからの所有期間が5年以下の場合は譲渡所得の30%、5年を超える場合は15%です。譲渡所得税は購入価格よりも売却価格が高く、利益が出た場合に発生し、売却価格よりも購入価格の方が高い場合はかかりません。

印紙税

印紙税は不動産売買契約書などの課税文書に添付する印紙代で、契約金額に応じて金額は変動します。売却価格が高額になれば印紙税も高くなり、一般的な宅地であれば2,000円から10万円程度です。

登録免許税

登録免許税は、登記手続きの際に土地所有者の名義変更にかかる税金です。相続による土地の取得では、相続人の名義に変更する相続登記を行う必要があります。税率は不動産価格の0.4%です。手続きを司法書士に依頼する場合は、司法書士報酬などの依頼料も別途必要になります。

住民税

住民税は、居住している市町村や都道府県などに納める地方税です。譲渡所得税と同じく、土地の売却で利益が出た場合に発生します。税率は所有期間が5年以下なら9%、5年を超えていれば5%です。先述の譲渡所得税と住民税は、土地売却の翌年に支払うことになるため、納める必要があるのか、金額はどのくらいになるのかを把握しておいてください。

復興特別所得税

復興特別所得税は、2011年に発生した東日本大震災の被災者支援を目的として創設された税金です。譲渡所得税額に対し、さらに2.1%をかけて算出されます。税率は土地の所有期間が5年以下の場合、譲渡所得税の税率30% × 2.1%で0.63%、5年を超える場合は15% × 2.1%で0.315%です。2037年までは譲渡所得税に上乗せされ、一緒に納税することになります。

相続した土地をスムーズに売るポイント

相続した土地をスムーズに売るためにはどうすればよいのか、以下に注意すべきポイントを2つ挙げます。

早めに登記手続きを済ませておく

相続した土地を売却する場合、被相続人の名義のままでは売却できません。名義に問題があると手続きがスムーズに進まないため、まずは相続登記を早めに済ませておくようにしましょう。

相続に詳しい不動産会社に相談する

相続した土地を売る際は、どの時期に誰が、どのように売却するのかで、かかってくる税金や税率が変わってくる可能性があります。売却に適切な時期や売却方法が分からない場合、不安や疑問に思うことがある場合は、相続に詳しい専門家や不動産会社に相談すると安心です。

相続した土地を売る流れ

ここからは、具体的に相続した土地を売却する流れを解説していきます。

遺産分割協議を始める

遺産分割協議とは、誰が何をどれだけ相続するのか、相続人の間で遺産の分割方法を決める話し合いです。相続人が1人だけならば、遺産分割協議は必要ありません。相続人が複数の場合は、相続人同士のトラブルを避けるためにも重要です。

相続登記を手続きする

土地が相続されると、所有者の登記を変更する必要があります。これまで相続登記は任意でしたが、2024年4月1日からは相続登記の申請が義務になりました。正当な理由なく相続登記を怠ると10万円以下の過料が科されることもあるため、早めに相続登記の手続きをしてください。相続登記の申請先は、土地の所在地を管轄する法務局です。

※参考:相続登記が義務化されます(令和6年4月1日制度開始)~なくそう 所有者不明土地!~|東京法務局

不動産会社の査定を受ける

どのくらいの金額で売却できそうなのか、相場を知るためにも不動産会社の査定を受けるのがおすすめです。具体的な査定価格は不動産会社によって多少異なります。複数の不動産会社に査定を依頼することで、希望に沿う条件が見つかりやすいでしょう。

不動産会社と契約して土地を売却する

売却を依頼する不動産会社が決まったら、売買契約を締結します。買い手を探し、契約をまとめてくれた不動産会社に対しては、仲介手数料を支払います。不動産会社によっては、遺産分割協議書の作成や相続登記までサポートしてくれるところもあるため、相続した土地を売却するときはサポートの有無も確認してみてください。

土地を買主へ引き渡す

売買契約が成立したら片付けなどを済ませ、期日までには残金の決済と所有権移転登記を行い、買主に土地を引き渡します。

相続した土地を売る際の注意点

相続した土地を売る際は、以下の5つの注意点にも気をつけましょう。

相続税対策をする場合は売却期限を意識する

被相続人が自宅として住んでいた土地ならば、小規模宅地等の特例も相続税対策として有効ですが、相続税の申告期限まで土地を保有することが条件です。小規模宅地等の特例、または3年以内が申告期限の取得費加算の特例を受けたいのであれば、相続してから10か月経過以降、3年が経過する間に売却する必要があります。

相続税を納税するために土地を売却したい場合は、売却の手続きを始めてから現金化できるまで半年ほどかかるため、相続後4か月目ぐらいから動くとよいでしょう。

特例の特徴を理解する

特例や優遇措置は、相続した家に住む場合と住まない場合で要件があります。加えて、併用できる場合とできない場合もあるため、特徴を理解しておかなければなりません。どの特例や優遇措置を受けるのか決めるためにも、あらかじめ詳細を確認しておきましょう。

相続人同士で十分話し合う

相続した土地の売却では、相続人同士でトラブルになるケースが多いのも現実です。もし難色を示す人がいれば、売却はスムーズにできません。特に共有名義にしている土地の売却では、全員の同意が必要です。共有名義の土地を売却するときはもちろん、名義変更する際にも、後々もめることがないように相続人同士で十分に話し合っておいてください。

事前調査は念入りにする

売却した土地に万一、瑕疵(欠陥)があった場合、売主は買主に対して「瑕疵担保責任」を負わなければなりません。表面的には分からなくても地中に埋設物があった、土壌汚染があったなどの隠れた瑕疵が紛争にまで発展することもあります。トラブルを防ぐためには、事前調査で土地に問題がないことを確認しておくことが大切です。

不動産会社は複数から選ぶ

査定価格には違いが出るため、必ず複数の不動産会社に依頼するようにしましょう。損をせず、よりよい条件で売却するためには、複数の不動産会社が出す査定価格を比較する必要があります。売却代金を相続税の納付に当てる場合や特例を利用したい場合など、売却期間を意識するときは、スムーズかつ高く売ってくれるところを探すことも大切です。

まとめ

土地を相続した際、売るタイミングによって納めるべき税金の種類や金額、特例を活用できるかどうかなどが違ってきます。相続した土地をスムーズに売るためには、早めに相続登記を済ませ、相続に詳しい不動産会社に相談することも大事です。

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※2 ハウスドゥは不動産売買仲介専門フランチャイズで店舗数第1位です。「ビジネスチャンス」(2023年12月22日発行-2024年2月号)より。

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